文具・雑貨 最新ヒット商品の裏側 第7回

「書くこと」にまつわる悩みを抱える子供たちは意外に多い。レイメイ藤井(福岡市)が2021年10月に発売した「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」がその悩みを解決。機能性が評価され、「第31回 日本文具大賞2022」機能部門グランプリを受賞した。

魔法のザラザラ下じき。ブルーとバイオレットは0.3mmドットタイプ(税込み825円)。小学生低学年~中学生向け。クリアーは0.6mmドットタイプ(同660円)。幼児から小学生低学年向け
魔法のザラザラ下じき。ブルーとバイオレットは0.3mmドットタイプ(税込み825円)。小学生低学年~中学生向け。クリアーは0.6mmドットタイプ(同660円)。幼児から小学生低学年向け

 「ツルツルすべってうまく書けない」「文字を書くことが楽しくない」……。学年が下がれば下がるほど、「書くこと」にまつわる悩みを抱えている子供たちは多い。そんな子供たちの悩みを解決するのが、レイメイ藤井の「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき(以下、ザラザラ下じき)」だ。

 ザラザラ下じきはその名の通り、表面に細かいドット加工が施されている下敷きである。ザラザラしていることで、運筆力(鉛筆を思った通りに動かす力)が鍛えられ、文字をきれいに整えて書くことができるようになるという。

左/ザラザラ下じきを使わず書いた例。途中から雑な文字になっている。右/ザラザラ下じきを使って最後まできれいに書けた例
左/ザラザラ下じきを使わず書いた例。途中から雑な文字になっている。右/ザラザラ下じきを使って最後まできれいに書けた例

書くことが苦手になる理由

 「大人にとって、筆記具を自由自在に動かすことは簡単だが、手指の筋力、骨格の発達が十分ではない子供にとって、鉛筆を器用に使って整った文字を書くことは、想像以上に難しい」。レイメイ藤井ステイショナリー事業部商品企画室開発一課の江向桂氏はこう話す。特に運筆力が育っていない低学年の子供たちは筋力が弱く、途中で書くことに疲れたり、時間がかかりすぎたりするという。背景にあるのが、子供の握力低下だ。

 スマートフォンやタブレットなどの普及により、筆記具を使って書く機会が減少。また水道の蛇口などもセンサー式が増え、力を込めて手指を動かす機会が減っていることも要因だという。

 とはいえ、運筆力を鍛えるには、鉛筆の正しい持ち方や動かし方を練習し、経験していくしか方法がない。「うまく書けない経験が続くと、書くこと自体が嫌になり、勉強への意欲が低下、学力が伸び悩む原因にもなり得る」(江向氏)

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
19
この記事をいいね!する