「第31回 日本文具大賞2022」デザイン部門でグランプリを受賞したWeb会議用の小型ホワイトボード「wemo paper flip board」。コスモテック(東京都立川市)と福永紙工(同)、デザイン会社のkenma(東京・新宿)が開発した。文字や図などを書いてオンライン画面越しに伝えることで、円滑なコミュニケーションにつなげる。

「wemo paper flip board」の外形は288×288×3.5ミリメートル
「wemo paper flip board」の外形は288×288×3.5ミリメートル

 コスモテックは、テープや液晶モニターなどに使う機能性フィルムの開発を主力とするメーカー。kenmaはコスモテックのコーティング技術に着目し、油性ボールペンで繰り返し書いて消せる技術の開発を提案。腕に巻いて使用するリストバンド型のメモなど、「wemo」シリーズとしてコスモテックが商品化している。wemo paper flip boardはwemoの延長線上にあり、コスモテックと印刷・加工の福永紙工の技術を掛け合わせることで完成した。

 外形は288×288×3.5ミリメートルの、いわば小型ホワイトボードだ。段ボール板の表面にwemoのように独自のコーティング技術を施した。消しやすさをさらに改善しているという。紙加工の強みを生かし、段ボール板で強化構造を実現。96グラムと軽量・薄型で丈夫な形状を開発した。ペンと消去用のイレーザーが付属。価格は3850円(税込み)だ。

断面を見ると、段ボール板をフィルムで挟んでいる様子が分かる
断面を見ると、段ボール板をフィルムで挟んでいる様子が分かる

 発売は2022年7月で、1年間で約1万個の販売を目標にしている。商品発表後、文具大賞グランプリ受賞などの影響もあり、卸売会社などから続々と問い合わせが入っているという。

テレビ番組のフリップボードから着想

 主な使用法は、wemo paper flip boardに伝えたいことを書いてWeb会議の画面越しに見せる、というもの。新型コロナウイルス感染症拡大で急激に普及したWeb会議だが、相手の顔を見ながら口頭で話すだけでは、言いたいことが伝わりにくいときもある。パワーポイントなどの画面を共有する手法もあるが、会議が白熱すればキーボード入力するよりwemo paper flip boardのようなホワイトボードに手書きして見せたほうが早いし、さまざまな図などもすぐに書ける。着想はテレビ番組で使うフリップボードにあった。だが小さいとWeb会議では見えにくいし、大きいと使いにくい。ちょうどいい大きさを求めて、試作を繰り返した。

使い方の例。wemo paper flip boardに伝えたいことを書いてWeb会議の画面越しに見せると分かりやすい。話し手の表情も分かるような大きさにした(写真提供/コスモテック)
使い方の例。wemo paper flip boardに伝えたいことを書いてWeb会議の画面越しに見せると分かりやすい。話し手の表情も分かるような大きさにした(写真提供/コスモテック)

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