仮想空間の中でキャラクターを育て、成長を見守るゲームは、専用の携帯ゲーム機から、ゲームプラットフォームやパソコンのソフトまで、今や人気のジャンルとして確立している。タカラトミーの「ぷにるんず」は、そこに“触覚”という要素を取り入れ、新境地を切り開いた。

新触感液晶お世話トイ「ぷにるんず」希望小売価格6578円(税込み)
新触感液晶お世話トイ「ぷにるんず」希望小売価格6578円(税込み)

 タカラトミーの専用携帯ゲーム機「ぷにるんず」の人気が止まらない。液晶画面の中のキャラクターと直接触れ合っているかのように遊べるのが特徴で、この製品を特徴付けているのは、本体側面に付いている穴の存在だ。ちょうど指先を入れられる大きさで、自分の指を入れるとセンサーが感知し、液晶画面に指が出現する。穴の奥には柔らかく“ぷにぷに”とした触感のボタンがあり、これを操作すると自分の指と液晶画面に映る指が連動し、デジタルの世界の“ぷにぷに”キャラクターを実際に触っているような、“デジタルとリアルが融合した”不思議な感覚を味わえる。そこで同社ではこの製品を“新触感液晶お世話トイ”と銘打っている。

穴に入れた自分の指と液晶画面に映る指が連動し、キャラクターをぎゅーっと長く押したり、左右になでなでして楽しめる
穴に入れた自分の指と液晶画面に映る指が連動し、キャラクターをぎゅーっと長く押したり、左右になでなでして楽しめる

 発売は2021年7月。「育成ゲームはこれまでにも色々なものがあったが、そのジャンルの中で、今までにない驚きを子供たちに与えるにはどうすればいいだろうかと考えたときに、液晶というデジタルなおもちゃに触感というアナログな正反対のものをぶつけると、すごくいい組み合わせになると考えた」と、タカラトミーファッションエンターテイメント事業室の武田誠氏は言う。

 「お世話をするゲームやおもちゃの中でも、ぬいぐるみやペットのおもちゃのように直接触れ合えるもののほうが愛着が湧きやすい。デジタルで育成をするゲームでも、今までは画面越しのコミュニケーションだったのが、実際に触ってお世話をすることができれば、より一層愛着を持って楽しめる」(武田氏)

これが“ぷにぷに”トレンドの最新版

 触感といっても多種多様な感覚があり、例えばぬいぐるみであれば“もふもふ”感だが、今回“ぷにぷに”感を選んだのはなぜだろうか。「最近の子供たちのトレンドを見ると、フィジェットトイと呼ばれる手慰みの遊びに使う玩具や、スクイーズと呼ばれる柔らかい素地のおもちゃの流行があり、さらに遡ればスライムのような素材も子供たちに人気だ。“ぷにぷに”した素材を手慰みに触るようなおもちゃの人気が、3~4年以上続くトレンドになっている。“ぷにぷに”したキャラクターを“ぷにぷに”と触りながらお世話できるぷにるんずは、この“ぷにぷに”トレンドの最新版だ」(武田氏)

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