「Z世代の企画屋さん」こと今瀧健登氏による新連載の第2回からは、今瀧氏が同年代のマーケターや起業家など、Z世代を盛り上げる中心人物と対談。Z世代の思考を学び、これからのマーケティングに役立つヒントを探る。今回は、自社運営のTikTokアカウントで紹介した商品を日販136倍に急増させるなど、TikTokマーケティングの最前線を走るエージェンシー、HADO(東京・渋谷)代表の田中大雅氏(24歳)と、「効果を生む企業のTikTok運用」について探る。
TikTokマーケティングエージェンシーとして、TikTokを主に動画広告の企画からクリエイティブ制作、運用を行うHADO(東京・渋谷)。企業のアカウント支援のほか、新作コスメを紹介する「モテコスメちゃん」やギフト紹介の「ギフト侍」など自社運営のTikTokアカウントも展開している。
一方、今瀧氏が代表を務める僕と私と(東京・渋谷)は、Webドラマの制作やTikTokアカウントのプロデュースなどを手掛ける、Z世代を代表する企画・マーケティング会社。Z世代目線のマーケティングを行う両社代表の対談からは、目からうろこのTikTokノウハウが飛び出した──。
なぜ企業はTikTokに参入すべきなのか
今瀧健登氏(以下、今瀧) YouTubeやTwitterなどに企業公式アカウントをつくるなど、マーケティングツールとして活用できるプラットフォームの選択肢はいろいろあります。そうした中、なぜ企業はTikTokに取り組むべきなのか。田中さんはどう考えていますか。
田中大雅氏(以下、田中) 正直なところ、TikTokだけで完結できるマーケティング活動は少なくて、TikTok×オフライン施策や、TikTokから別のプラットフォームに動線をつなげるなど、「総合格闘技的」な戦い方が求められています。SNSの相乗効果を狙いにいくのは、やはりマーケティングにおいて大事なこと。だからこそ、TikTokの特性を改めて理解する必要があります。
TikTokの特性として、まずインプレッションを得るためのコストパフォーマンスがいい。例えばInstagramは、自分のフォロワーから高いエンゲージメントがあるとおすすめ機能に表示される仕組み。なので、100万インプレッションを得ようとすると、まずはフォロワーを増やすことから始める必要があります。
一方でTikTokは、フォロワー「以外」からのエンゲージメントが高い動画ほどより多くの人に配信される。たとえ0フォロワーであっても、アルゴリズム上100万回再生を狙えるプラットフォームです。これは毎回、新規視聴者に届ける気持ちで発信をしないと再生回数が伸びないという意味でもあります。
今瀧 TikTokはフォロワー数主義ではなくコンテンツファースト。だから、認知を拡大するうえでは狙い目ですよね。TikTokも含めた各SNSが今後も存続するかは、Z世代である僕たちにも分からない。だからこそ、いろいろなところに種をまいておくのもマーケティングとして重要だと思います。
あと、TikTokはコンテンツファーストなので、テストマーケティングにめちゃくちゃ向いていると感じていて。A/Bテスト的に一つの商品に関するコンテンツを変えて試してみたり、あるいはキャッチコピーを変えてみたりすることで、インプレッションに圧倒的な差が出る。わざわざフォロワーを増やす努力をしなくても、自社のサービスをどのように見せると多くの反応を得られるか、検証できるのが魅力です。
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