2022年7月4日発売の「日経トレンディ2022年8月号」 ▼Amazonで購入する では、創刊35周年を記念し、「家電、文房具、日用品オールタイムベスト」を特集。シャープペンシル市場は高付加価値化の競争が激しく、次々に新商品が生まれている。プロ仕様のスペックを持ったぺんてるの「スマッシュ」、芯に対する不満を解決した三菱鉛筆の「クルトガ」などがヒット商品に化けた。

※日経トレンディ2022年8月号より。詳しくは本誌参照

シャープペンシル市場からは、「高機能・高級シャープペンシル」が次々に生まれている。上は三菱鉛筆の「クルトガ」
シャープペンシル市場からは、「高機能・高級シャープペンシル」が次々に生まれている。上は三菱鉛筆の「クルトガ」

 シャープペンシル市場は高付加価値化の競争が激しく、次々に「高機能・高級シャープペンシル」が生まれている。その先駆けが、本誌が創刊した1987年にヒットしたぺんてるの「スマッシュ」。当時は100円前後の低価格タイプが多く、1000円の値札を下げて一般向けに登場したスマッシュは異色の存在だった。消費者の心に刺さったのが、同社の製図用シャープペンシルから引き継いだプロ仕様のスペック。本体の先端から出る芯を覆うパイプは4㎜と長いので書いた線が見やすく、グリップはラバー付きで握りやすい。こうした特徴は2010年代半ばにも注目されて、再び売れ行きを伸ばしている。

 1996年発売の「ピアニッシモ」(ぺんてる)もよく売れた。芯を出すノックボタンが本体を持った親指を少しずらした位置にくるように設計されている。芯を即座に出せる簡便性や、内蔵する芯をきれいに見せるクリアボディーが支持され、国内で年間800万本以上を販売するヒット商品に化けた。

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 2000年代以降は、シャープペンシルの要である芯の高機能化時代に突入した。08年に三菱鉛筆が「クルトガ」を発売。芯を回転させて文字の細さを一定に維持する機能に、「書いているうちに芯が太くなる」と不満を抱いていた消費者が飛び付いた。同機能は画期的で、この10年以上、クルトガはシャープペンシルの中で売り上げが年間1位の座をキープしている(金額ベース、同機構「クルトガエンジン」搭載製品を含む)。

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