2022年7月4日発売の「日経トレンディ2022年8月号」 ▼Amazonで購入する では、創刊35周年を記念し、「家電、文房具、日用品オールタイムベスト」を特集。炊飯器市場は、高級炊飯器バブルに沸いた2006年以降、現在まで“内釜戦争”が続く。革新的な技術も次々と登場しており、直近では内釜の性能を最大限引き出す炊飯制御プログラムの出来栄えをメーカー間で競い合っている。

※日経トレンディ2022年8月号より。詳しくは本誌参照

35年間に、炊飯器には革新的な技術が次々と登場してきた。左上は松下電器産業(現パナソニック)の「SR-IH18」、右上は三洋電機の「おどり炊き」搭載モデル、下は三菱電機の「NJ-WS10」
35年間に、炊飯器には革新的な技術が次々と登場してきた。左上は松下電器産業(現パナソニック)の「SR-IH18」、右上は三洋電機の「おどり炊き」搭載モデル、下は三菱電機の「NJ-WS10」
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 炊飯器のデファクトスタンダードとして広く使われる技術「IH方式」が誕生したのは、今から34年前。コイルに電流を流す際に生じるジュール熱で内釜全体を加熱するもので、それまで主流だったマイコン式に比べてお米を芯までふっくら炊き上げられる。

 IH炊飯器の歴史で、潮目が大きく変わる“事件”が起こったのは2006年のことだ。三菱電機が熱伝導率に優れた炭素ブロックをほぼ手作業で削り出した内釜(本炭釜)を開発。採用した「NJ–WS10」が、実勢価格10万円超えにもかかわらず、大ヒット商品になった。

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 これが呼び水となり、“内釜戦争”が勃発。コモディティー化により停滞していた炊飯器の世界は、一転して高級炊飯器バブルに沸いた。

 以後、革新的な技術が次々と登場。「蒸気の発生を抑えて棚や壁が汚れにくくする」「スチームを噴射して最長40時間近い長時間保温を可能にする」「内部を真空にして米の浸水を早める」――。味だけでなく、使い勝手にも着目した独創的なアイデアを各社はアピールしあっている。

炊飯プログラム競争が主軸に

 最新型の10万円オーバーの高級炊飯器を購入するに当たって注目すべき要素は、まずおいしさを左右する内釜だ。内釜戦争は依然続いており、高効率で発熱しやすい新素材の採用や構造を改良するなどハイテク化が進んでいる。底面から気泡が出やすくなる加工など、形も各社で違いが際立っている。

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