2022年7月4日発売の「日経トレンディ2022年8月号」 ▼Amazonで購入する では、創刊35周年を記念し、「家電、文房具、日用品オールタイムベスト」を特集。日経トレンディが創刊した1987年以降、テレビは「大画面化」と「高画質化」を軸に進化してきた。松下電器産業(現パナソニック)の「画王」、シャープの「アクオス」などの人気ブランドも生まれ、直近では、有機ELと4K液晶に加わった新方式「ミニLED」が話題になっている。

※日経トレンディ2022年8月号より。詳しくは本誌参照

35年間に、テレビは「大画面化」と「高画質化」を軸に進化してきた
35年間に、テレビは「大画面化」と「高画質化」を軸に進化してきた

 家電の「三種の神器」と呼ばれ、まだ白黒だった1950年代から日本の一家だんらんの場を彩ってきたテレビ。直近では、既存の有機ELと4K液晶に加わった新方式が話題になっている。

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 テレビは、「大画面化」と「高画質化」を軸に進化してきた。日経トレンディが創刊した87年は、当時としては大型な22型以上を指す「大画面テレビ」がランク入り。2003年の地上波デジタル放送開始前後からはテレビの薄型化も手伝い、32型以上のサイズが一般化した。ブラウン管からプラズマ、液晶へとトレンドが移ろい、地デジ放送の開始といった放送方式の変化も手伝って、高画質化も進んでいった。

 この間、様々な人気ブランドも生まれた。ブラウン管テレビの時代には松下電器産業(現パナソニック)が90年秋に発売した「画王」。平面に近づけたブラウン管は買い替えのきっかけになった。地デジ黎明期に時代の寵児になったのは、シャープがアピールした「世界の亀山モデル」。同社の「アクオス」ブランドは04年4~6月、10型以上の液晶テレビ市場でのシェアが44.8%に到達。当時、30型以上のテレビはプラズマが主流だったが、22型以上の液晶テレビが買われ始める契機になった。

 近年は海外メーカーの参入もあり、低価格化が加速。市場のコモディティー化も進んでいる。17年ごろからは複数のメーカーが発売した有機ELテレビが液晶に代わるトレンドに。55型以上の“超大型テレビ”も普通になった。

 そして今、大型テレビの選び方に変革期が訪れている。従来は有機ELか液晶の二択だったが、新たに「ミニLED」という選択肢が生まれたのだ。

 通常の液晶は、液晶パネルの背面や上下左右のエッジにLEDバックライトを搭載する仕組み。ミニLEDは数千個の小さなLEDを高密度に敷き詰め、部分ごとに適切な明るさを表現する。これにより、黒い部分が薄白く見えるなどの液晶が持つ弱点を、ミニLEDテレビなら克服し得るのだ。とはいえ黒い部分の表現力ではまだ有機ELが上。AV評論家の折原一也氏も、「ミニLEDの画質は、有機ELにはまだ及ばない」と言う。

 それでもミニLEDに注目すべきなのは、画面の明るさと安さが魅力的だからだ。有機ELがその最高画質を発揮するのは部屋を暗くしたとき。外光が差し込むリビングなどにテレビを置く場合、実は有機ELより明るく鮮やかに見えるミニLEDの方が適しているといえるのだ。さらに、価格は65型で20万~40万円程度と有機ELより手ごろな傾向。「明るい高画質テレビが欲しい」と考える人を多く取り込める可能性がある。そんなミニLEDは、21年にシャープなどが先だって新商品を発売したのに続き、夏モデルとして22年6月までに複数メーカーの新顔が市場に登場した。

■既存液晶、ミニLED、有機ELの性能比較表
■既存液晶、ミニLED、有機ELの性能比較表
性能は液晶以上、価格は有機EL以下の新しい選択肢に。写真はシャープ製品での例

テレビの最新トレンド

22年夏に役者がそろったミニLED 「黒」は課題も明るさは最強クラス

 21年にLGエレクトロニクス・ジャパンとシャープが発売したミニLEDテレビ。22年6月までに他メーカーも続き、選択肢が拡大した。

 一般的にミニLEDと有機ELを比較した場合、明るさでは圧倒的にミニLEDが上。外光が差し込むリビングでもはっきり見える。黒い部分が薄白く見える「黒浮き」は、既存の液晶から激減しているものの、有機ELの黒色表現には及ばない。部屋を暗くして比べたら有機ELの方が高画質と感じるだろう。だが液晶に勝る画質を備え、価格は有機EL以下。液晶、有機ELに次ぐ第3の選択肢としては、十分に検討の余地がある。

■AQUOS XLED 4T-C65DP1(シャープ)
■AQUOS XLED 4T-C65DP1(シャープ)
実勢価格43万9750円(税込み)
「画面全体が色温度高めの青色のトーンになっており、白色の純度が高く見える」(折原氏)。グーグルの「アンドロイドTV」機能も搭載
「画面全体が色温度高めの青色のトーンになっており、白色の純度が高く見える」(折原氏)。グーグルの「アンドロイドTV」機能も搭載

テレビ トレンド史

 「日経トレンディ」が産声を上げた1987年11月以降で、テレビのトレンドの変遷を年表にまとめた。

【分岐点】ブラウン管テレビが大型化。価格も手ごろに

1987年
・22型以上の大画面テレビの市場が拡大

1990年
・BSチューナー内蔵テレビの出荷台数が前年比5倍と市場が拡大
・10月 松下電器産業(現パナソニック)が「画王」を発売

■画王
■画王
松下電器産業がテレビ事業30周年を記念して企画。29型で約20万円と当時としては低価格だったのも奏功した

1992年
・ワイドテレビが初めて商品化される

1996年
・12月 ソニーが「ベガ」で平面ブラウン管テレビを初めて発売

【分岐点】地上デジタル放送開始で薄型化が顕著に。液晶vsプラズマの時代へ

2004年
・2月 シャープの亀山工場が稼働。「世界の亀山」ブランドの液晶テレビを生産
・8月 45v型モデルを発売したシャープの「アクオス」がヒット

■アクオス
■アクオス
2003年11月~04年8月の家電量販店売れ筋上位5商品を型違いで独占(GfK Japan調べ)。大型液晶も浸透

・12月 東芝が初のHDD+DVDビデオレコーダー一体型の液晶テレビ「RD-17V1」を発売

2008年
・11月 シャープが世界初のBlu-ray Discレコーダー内蔵型の液晶テレビ「AQUOS DX」シリーズを発売

2009年
・エコポイント効果で地デジ対応テレビへの買い替えが進む

【分岐点】4K・8K対応テレビが続々。60型以上の大型テレビも一般化

2015年
・2月 東芝ライフスタイルが日本初の「Netflix」に対応した液晶テレビ「J10シリーズ」を発売

2017年
・夏 ソニーやパナソニックなどが有機ELテレビを発表
・12月 シャープが世界初の8K対応液晶テレビ「AQUOS 8K LC-70X500」を発売

2018年
・6月 東芝映像ソリューション(現TVS REGZA)が日本初となる4Kチューナー内蔵テレビ「液晶レグザ M520Xシリーズ」を発売

2020年
・9月 東芝映像ソリューションが「液晶レグザ V34シリーズ」を発売。コロナ禍で小型のネット動画向きテレビがヒット

2021年
・12月 シャープが「AQUOS XLED」を発売。同年夏には他社もミニLEDテレビを投入

(写真/高山 透、古立 康三)

注)創刊35周年特別保存版 歴代ヒット&最新ベストは、「日経トレンディ」2022年8月号に掲載しています。日経クロストレンド有料会員の方は、電子版でご覧いただけます。
▼関連リンク 「日経トレンディ」(電子版)
「日経トレンディ2022年8月号」の主な内容を紹介
【いいものオールタイムベスト】
●家電&デジタル
テレビ/最新ミニLEDテレビを検証。ハイセンス格安機の実力は?
イヤホン/骨伝導 vs LinkBuds vs AirPods。最強「ながら聴き」決定戦
炊飯器/各社の最上位モデルでガチ比較。伏兵東芝が僅差で優位に
オーブンレンジ/鶏肉のグリルと揚げ物温めでは日立がトップクラス
コーヒーメーカー/注目のバルミューダはハンドドリップに匹敵した!
掃除機/ダイソンは、本当に吸引力と“軽さ”を兼ね備えているのか
●文具
筆記用具/0.3ミリメートル以下でオススメは? 油性・ゲルインクボールペン選手権
デジタル文房具/成功例が少ない中、「ブギーボード」が生き残っている理由
●日用品&雑貨
衣料用洗剤/大手3社の主力商品をテスト。汚れ落ちに違いはあるのか
掃除用品/ワイパークリーナー登場から28年。今最もきれいになるのは?
【D2C時代のパッケージデザイン大変革】
【ヒットを作る人】メタバースはマーケティングワードか!? ライゾマティクス 真鍋大度氏 インタビュー
【ヒットを作る人】ビームスはメタバース時代の「百貨店」になる? ビームスクリエイティブ社長 池内光氏 インタビュー
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