日本ではなかなか定着してこなかった「ライブコマース」の潮目が変わりつつある。ライブコマースに特化したプラットフォームが伸長し、そこに「商品を生配信で売る」ことを専門としたライブコマーサー(ライブ配信者)が集結。国内外で街の雑貨店などに乗り込み、スマートフォン片手にその場でライブ配信をしながら店頭のあらゆる商品を売りさばく。そんな驚きの販売スタイルも見られる、神出鬼没のライブコマーサーの実態に迫った。

ライブコマースは今、世界で最も注目されているECの手法だ。先に市場が立ち上がったのは中国で、2018年を「ライブコマース元年」として急速に拡大し、21年時点で既に約43兆円の市場規模ともいわれる。米国は21年の市場規模が約1兆4000億円と推測され、今後の拡大が予想されている。
一方、日本のライブコマース市場は21年で約1500億円規模とみられ、大きく後れを取っているが、急成長を遂げるプラットフォームも出てきた。それが、20年9月にローンチしたライブコマース特化型アプリ「ピースユーライブ」(運営は合同会社ピースユー、東京・千代田)だ。開始から2年余りの間で、GMV(流通取引総額)が数十億円、商品取引数260万回、直近半年の配信時間が150万時間超と、日本でも有数の規模となっている。
一体どんなサービスなのか。
ライブコマーサーが生配信中に次々と商品を出品
ピースユーライブの最大の特徴は、誰でも手軽にライブ配信をしながら商品を販売できることだ。始め方はとても簡単。まず、スマホでアプリをダウンロードし、携帯電話番号や本人確認のための運転免許証、銀行口座などを登録。商品の写真を撮り、商品名や価格、送料の有無などを入力する(価格はオークション形式の設定も可能)。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー