もうかるネットスーパーのつくりかた 第6回

注文から数十分でモノが届く。その早さから「クイックコマース」と呼ばれる、即時配送型ネットスーパー事業が増えている。この事業にいち早く参入したベンチャー企業がOniGO(オニゴー、東京・目黒)だ。注文から最短10分で商品が届く早さが売りだが、意外にも、配達の際に発生する顧客とのコミュニケーションを重視しているという。通常、配送時間は短いほどコストが圧縮される。その真逆ともいえる部分を重視するのは、即配型事業ならではの課題への1つの解となり得るからだ。

OniGO(東京・目黒)取締役/共同創業者の山本敬明氏
OniGO取締役/共同創業者の山本敬明氏

 「10分で届く宅配スーパー」をうたう「OniGO」は、その名の通り生鮮食品から日用品まで、スマートフォンアプリやブラウザから注文すると最短10分ほどで自宅に商品が届く。配送料は一律300円(税別)で、現在都内19区3市の対象エリアで展開している。

 OniGOはいわゆるクイックコマースと呼ばれる即配型サービスのスーパーマーケット版だ。即時配達のスピードを実現する要因の1つとして、「ダークストア型」を採用していることが挙げられる。ダークストアとは、客に足を運んでもらうためではなく、商品を管理して届けるまでの配送拠点としての店舗を指す。店舗の維持費や内装などにかける初期費用、設備投資などが安価で済むため、ネットスーパー事業において大きな課題となる、場所のコストを大幅に削減できるモデルだ。

 クイックコマースには2022年1月にヤフーが参入。同年6月には「pandamart(パンダマート)」の名で展開されていた事業をリブランディングする形で、クイックエクスペリエンス(東京・渋谷)が参入した。一方で、同年7月にフードデリバリー事業のWolt Japan(東京・渋谷)がダークストア型ネットスーパーから撤退するなど、早くもプレーヤーの入れ替えが起こっている。

 OniGOの創業は21年6月。ダークストア型ネットスーパーとしては、比較的早い時期に参入した。そのOniGOは、顧客とのコミュニケーションを重視した配達を行っているという。

 ネットスーパー事業を展開するうえで大きなコストとなるのが、人件費だ。注文した商品を店の棚から集める「ピッキング」や配送方法に工夫を凝らし、1件あたりの配送にかける時間を短縮することが収益を高めるうえで重要になる。

 配達員が顧客と会話をすれば、その分、配達効率が落ちるため、コミュニケーション重視というOniGOの方針は、「もうかるネットスーパー」と相反するともいえる。そのような方針を取るのは、これまで即配型事業で見過ごされがちだった「接客の質」に課題があると感じるからだ。

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