2022年7月、東京都東久留米市のイトーヨーカドー東久留米店の3階にオープンした「waistline fitness(ウエストライン フィットネス)」は「50歳以上、女性限定、40分だけ」のフィットネスクラブだ。大手アパレルメーカー、ストライプインターナショナル(岡山市)の創業者、石川康晴氏が手がける。設立のきっかけやシニア向けのマーケティングについて取材した。

イシカワホールディングス(岡山市)の石川泰晴代表
イシカワホールディングス(岡山市)の石川泰晴代表

 「夏は暑くて外に出たくない。でも、スーパーの上にあるので買い物ついでにと思って通い始めた。今では週に3回、朝運動してから買い物をして帰っている」。オープン直後に会員になったという75歳の女性はこう語る。

 彼女が通うのは、イトーヨーカドー東久留米店3階にオープンした「waistline fitness(ウエストライン フィットネス、以下ウエストライン)だ。キャッチコピーに「女性限定、40分だけ、50歳からのウエストラインフィットネス」をうたう。2022年7月から、60坪のスペースでトレーニングプログラムを提供している。月額費用は1万780円(税込み、通い放題)。現在、会員の平均年齢は65歳とフィットネス業界でも最高齢の域だ。

ウエストラインフィットネス イトーヨーカドー東久留米店のスタジオ入り口
ウエストラインフィットネス イトーヨーカドー東久留米店のスタジオ入り口
スタジオには18台のマシンが並ぶ
スタジオには18台のマシンが並ぶ

 トレーニングは、有酸素運動と筋トレ20分間ずつのプログラムとなっている。前半の20分で自転車をこいだ後、専用マシンを使って腹筋、胸筋、背筋をそれぞれ5分間鍛え、最後にペナルティーボックス(4つに分かれたマス目)を使い、5分間のスクワットをする。有酸素運動で軽く足首、膝周り、股関節を鍛え、可動域を広げる上半身の筋力トレーニングをして体がなじんだころに、自重で下半身強化のスクワットをするという流れだ。スクワットはマス目のどこに足を置くかを意識する脳トレを兼ねている。

音楽やトレーナーの指示が聞こえるイヤホンを付け、20分間自転車をこぐ
音楽やトレーナーの指示が聞こえるイヤホンを付け、20分間自転車をこぐ
仕上げに升目を使った5分間のスクワットをする
仕上げにマス目を使った5分間のスクワットをする

 すべてのエクササイズにトレーナーが付き添い、利用者の体力を見ながら内容や強度を変えていく。例えば膝に不安がある人には自転車の立ちこぎ運動を控えてもらい、ペダル負荷を軽くするといった具合だ。

 トレーニング中は、イヤホンを装着する。音楽やトレーナーからの指示は、このイヤホンから聞こえる「サイレントエクササイズ方式」だ。利用者にとっては、周囲を気にせずトレーニングに集中できたり、耳が遠くてもトレーナーが個別にアドバイスする声が明確に聞こえたりする安心感がある。フィットネススタジオは屋内にあるが、上部が開いた壁で仕切られているため、設備上、音が周囲に漏れるのを防ぐ役割もある。

消毒済みのイヤホンが並ぶ
消毒済みのイヤホンが並ぶ

 プログラムこそシニア向けに開発されているが、ブランドロゴやスタジオのデザイン、イヤホンから流れる音楽などは年齢を感じさせない。心も体も若返る空間づくりを心がけたという。

 ウエストラインは、ウエストライングループ代表を兼務するイシカワホールディングスの石川泰晴氏が経営やマーケティングを担う。なぜ、シニア向けのフィットネススタジオをオープンしたのか。

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