今どきのZ世代は、企業に何を求めているのか。数ある企業の中から自社が選ばれるにはどうすればいいのか。SNSの分析を通した採用マーケの支援を行うNo Company(東京・港)が、Z世代の就活事情についてデータと事例を基に解説する新連載の第1回目。今回は注目度の高い11社・団体が多くのエンゲージメントを集めた理由について解説していく。

企業の採用活動は、もはやネットが“主戦場”に(写真/Shutterstock)
企業の採用活動は、もはやネットが“主戦場”に(写真/Shutterstock)

SNSに情報露出を狙う企業が増加

 ここ数年で学生の就職活動はオンラインへ大きくシフトし、SNSやWebサイトで企業の情報に接点を持つことも多い。また、企業を見定める際に従来のような待遇や業界という区切り方だけではなく、パーパス(存在意義)や働き方、社会貢献など、学生が企業に興味を持つ切り口も多様化している。

 そのため、採用広報の活動にTwitterやInstagramを利用したり、noteやWantedly(ウォンテッドリー)のようなSNSと親和性のあるプラットフォームを活用したりする企業も急増した。就職ナビサイトを含めた採用・働き方関連の情報を発信するメディアを選定する際にも、SNS上での情報の広がりやすさを重視する企業が増えている。

 そこで今回は、採用・就職活動関連の20メディアを分析。エンゲージメントが高い企業が発信している採用関連の記事の傾向と、エンゲージメントを獲得した要因について考察してみたい。分析には、メディアURLやキーワード起点で、SNS(Facebook、Twitter)上の「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」といったアクション総量(=エンゲージメント量と呼ぶ)を計測できるNo Companyの独自ツール「THINK for HR」を用いた。

【調査概要】
データ取得期間:2022年1月1日~5月31日
調査対象メディア:20メディア(ワンキャリア、FastGrow、Wantedly、note、マイナビ、リクナビ、外資就活ドットコム、エンカレッジ、キャリアパーク、大学生とつくる就活応援ニュースゼミ、JobPicks、キャリアハック、iXキャリアコンパス、Forbes CAREER、talentbook、Business Insider Japan、日経WOMANキャリア、20's type、Woman type、キャリタス就活)
調査方法:各メディア、各企業記事のエンゲージメント量を計測し、合算して発表
SNSデータ分析で判明したZ世代の注目企業・団体
SNSデータ分析で判明したZ世代の注目企業・団体

 企業の採用活動が活発化する毎年1~5月は、SNS上でも多数の情報がやりとりされる“最盛期”だ。今回、SNSデータを分析した結果、就活生のエンゲージメント量が多い11企業・団体を割り出した(上画像)。

 ヤフー、DeNAといったIT大手に加え、個人資産管理アプリなどを展開するマネーフォワード、デザイン支援のグッドパッチ、新興企業の支援を手掛けるフォースタートアップス、デジタル人材育成のデジタルハリウッド(東京・千代田)が挙がった。

 地方からは障がい者アート作品の商品化などを手掛けるヘラルボニー(盛岡市)、Web戦略支援のハタフル(福島県郡山市)、人材系では就職情報サイトを運営するワンキャリア、副業や転職人材の採用SNSを運営するYOUTRUST(ユートラスト、東京・渋谷)が入った。意外なところでは、外務省も好位置に付けている。

 これらの企業・団体のエンゲージメントが高まったポイントは大きく分けて以下の4つある。

(1)新卒メンバーなど、若手社員の情報発信が話題化したこと
(2)社会課題と事業や社員の働き方との接着点の発信を行っていること
(3)社員の新しいワークスタイルを具体的に発信していること
(4)退職した社員による前職への思いをまとめた記事を発信していること

 では、具体的にどのような発信がZ世代を引き付けたのか。各企業・団体が注目された要因について解説していこう。

共感されやすいのは若手社員の「等身大」の発信

 新卒で入社したメンバーや新卒1年目を終え2年目を迎えるメンバーにまつわる発信は、年齢的にも学生の立場に近く、就活生にとってリアルにその企業を理解できる有力な情報源の1つとなる。また、入社直後のメンバーであれば、客観的にその企業を見ることもできるため、よりフラットな立場で仕事や働き方について語れる。

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