
博報堂には平成生まれだけのチーム「CREATIVE TABLE 最高」がある。SNSが当たり前の世代が共感する、企業コミュニケーションを立案するのが狙い。リーダーの小島翔太氏に、若者たちに刺さる言葉について聞いた。ネーミングにおいても参考になるはずだ。
博報堂 「CREATIVE TABLE 最高」チームリーダー
――インターネットやスマートフォン、SNSの活用が当たり前の世代に向け、同じ世代のメンバーによるプロジェクトチームが誕生した理由を教えてください。
小島翔太氏(以下、小島) 2019年12月に活動を開始し、僕より下の世代も含めて9人のメンバーがいます。それぞれコピーライターやCMプランナー、アートディレクター、PR担当などとして活動しており、社内の所属は別ですが、プロジェクトごとに集まる“バーチャル組織”として運営しています。
みんな仕事仲間で、もともとは僕が声をかけたのが発足のきっかけでした。当時からTwitterやTikTokなど新しいメディアがどんどん出てきており、広告業界も変わらなければいけないよね、という認識がみんなにあったからです。
僕らの世代では個人でSNSに日常的に触れている人は多いし、もっと若い人たちは、YouTubeに動画を投稿している人も少なくありません。そうしたSNS世代の感覚を理解したうえで、これからのクリエイティブについてみんなでワイワイと議論できたことが、当時はとても心地よかったことを覚えています。
みんなで草の根的に議論し、新しさを探ったプロジェクトを推進していましたが、そのうち社内で僕らの活動が知られるようになり、SNS世代の感覚で考えるチームをつくってほしいと正式に言われました。
コロナ禍の若者の気持ちに寄り添う
――SNS世代向けだと何が違うのでしょうか。
小島 新しいメディアを活用している点は、今までと違う点かもしれませんが、これまでのメディアを否定しているわけではありません。僕らはテレビCMも大好きです。あえて言えば、いかにSNS世代に見てもらえるか、つまりチーム名と同じように「最高!」と思われる言葉や表現は何かを考えながらつくっています。“なぜ広告を見ないといけないのか”という残念な意見さえありますから、まずはSNS世代に共感や感動、興奮をしてもらわなければなりません。特に最低限、共感がなければ、見向きもしてもらえないでしょう。
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