
ネギやゴボウ、大根など、細長い野菜が買い物袋にうまく収まらない。食べ物とそれ以外を同じ袋に入れるのには抵抗がある。そんな不満を解消するのがヴァリュウ物産(東京・渋谷)の「ネギファースト・エコバッグ」だ。ユニークな商品コンセプトをストレートに伝えるネーミングで、競合商品に対し個性を強力にアピールした。
2020年7月、プラスチック製のレジ袋が有料となり、今では買い物時にエコバッグを持参することが当たり前となりつつある。だが、エコバッグを購入して改めて気づくのが、大きさはあっても、意外にモノが詰めにくく、収まりが悪いこと。長ネギが好きでよく購入するヴァリュウ物産の山県みわ子氏は、長ネギを購入するたびに収まりの悪さに煩わしさを感じていたという。
一度はお蔵入りになった企画が起死回生
ヴァリュウ物産は、旅行用バッグなどの旅行用品メーカー。だが、20年初頭より流行した新型コロナウイルス感染症により、旅行用バッグは売れなくなった。同社は「創業以来の大打撃を受けた」(山県氏)。そんな中、動いていたのが折り畳みエコバッグの開発だったという。同年8月には数種類のエコバッグのサンプルが完成。その一つがネギファースト・エコバッグの原型になった。
だが、販売網として想定した「東急ハンズ」や「LOFT」にサンプルを持って行ったところ、ネギなど長い物がうまく収まる、買った物をジャンルごとに分別収納できるという特徴がうまく伝わらず、エコバッグの企画はいったんお蔵入りになったという。
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