2022年6月3日発売の「日経トレンディ2022年7月号」 ▼Amazonで購入する では、「逆境に勝つマネー術」を特集。様々な負の要素が重なり、インフレによる生活危機の到来が現実味を帯びている。資産が減り続けるリスクを避けるというメリットもある投資、さらに買い物の見直し、固定費の削減といった3つの緊急対策で、お金を増やす&守る方法を考察した。

※日経トレンディ2022年7月号より。詳しくは本誌参照

投資や買い物、固定費という3つの側面から、お金を増やす&守る方法を考察した
投資や買い物、固定費という3つの側面から、お金を増やす&守る方法を考察した

 ウクライナ情勢による原油高や穀物不足、円安による原材料の輸入価格高騰……。様々な負の要因が重なり、40年以上にわたって日本人が経験してこなかった、インフレによる生活危機の到来が現実味を帯びている。

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 それを示唆するデータが、国内の企業間でやり取りされているモノの出荷段階の価格を示す、企業物価指数の急上昇だ。2022年4月に1980年以来、約41年ぶりに2桁の伸びを記録。ニッセイ基礎研究所 上席エコノミストの上野剛志氏は、「企業物価指数が上がると、企業が原材料などのコスト高に耐えられなくなり、消費者物価への転嫁が進んでいく」という。

オイルショック並みの狂乱物価が到来!?

注)企業物価指数は日本銀行発表の総平均(前年比)、消費者物価指数は総務省発表の生鮮食品を除く総合・前年同月比(全国)の推移(原数値)から編集部で作成
注)企業物価指数は日本銀行発表の総平均(前年比)、消費者物価指数は総務省発表の生鮮食品を除く総合・前年同月比(全国)の推移(原数値)から編集部で作成

 既に食品から日用品まであらゆる商品で価格改定が始まり、電気代などの固定費の値上げも家計を圧迫。その結果、家計の消費支出を示す消費者物価指数も約7年ぶりとなる前年同月比2%以上の伸びを記録した。「企業物価指数は5月以降、さらに高い水準になる可能性もある」(上野氏)。今の値上げラッシュによる支出増は、まだ序章に過ぎない恐れもあるのだ。

 最悪のシナリオは、「狂乱物価」の再来だ。経済評論家の加谷珪一氏は、「現在の急激な物価高は、1970年代のオイルショック時に似ている」としたうえで、「当時は企業が臆せず商品価格に転嫁したので賃上げもされ、生活水準がひどく悪化したわけではない。今回は企業が値上げに慎重で、賃上げが間に合わず、真綿で首を絞められるように生活が苦しくなり、生活困窮者が増えていくかもしれない」と言う。

 何もしていない人は、既に収入が増えないまま支出が増え続けているはずで、資産は減り続ける一方だ。

【リスク1】給与増の望みは薄く資産は目減りの一途

 支出が増えても収入が増えればいいが、近年の日本の給与水準はほぼ横ばい。インフレの値上げに追い付くほどの上昇が期待できないとする見方がある。おまけにインフレが進むとお金の価値が下がるので、預金額が実質的に目減りする可能性さえあり、じわじわ資産が減っていく。

■日本の給与水準はほぼ横ばい
■日本の給与水準はほぼ横ばい
注)国税庁発表の平均給与から編集部で作成

【リスク2】値上げラッシュで家計の支出負担増

 原料高や輸送コスト増で、既に値上げラッシュが始まっている。例えば、小麦粉の市販価格は21年から前年同月比増が続き、22年に入って上昇幅が増加。呼応するようにパンやパスタなど小麦関連製品も値上げラッシュだ。燃料高による電気代など固定費の高騰もあり家計支出は増える一方だ。

■小麦粉の市販価格は上昇傾向
■小麦粉の市販価格は上昇傾向
注)スーパーマーケットにおける小麦粉の容量単価の平均価格の前年比の推移 出典:インテージ SRI+データ

お金を増やす&守る3つの緊急対策!

 では、手をこまねいてインフレを受け入れるしかないのか。それは違う。今は副業など、本業以外で収入を得る様々な手段があるが、最優先は投資だ。資源高によって原油や天然ガス関連企業の株価が上がるなど、インフレ時代ならではの狙い目がある。

 今すぐ投資を検討すべき理由に、インフレによってお金の実質価値が下がるリスクがある。インフレ率(年率)が3%だった場合、5年後には100万円の実質的な価値が何と約86万円になる見通しだ。資産の“目減り”を避けるためにも、現金預金をただ眠らせておくのではなく、一部でも投資に回したい。

 一方で、生活コストの上昇をできるだけ抑える「守り」も必要だ。まずは日々の買い物の見直しが鉄則。買う店の選択や決済手段など日々のささいな工夫だけで、多くのポイントを獲得できる。大手通販サイトやリアル店舗では制度や提携カードが刻々と変わるので、最新情報をチェックして常に“最得”な手段を選びたい。

 固定費の見直しも欠かせない。特に通信費は家計圧縮の“切り札”になり得る。料金は新興ブランドの登場などで近年激変。例えば、7GBだと大手キャリアのプランは6000円台後半~7000円台前半だが、サブブランドなどに乗り換えれば3000円台前半以下にできる。面倒だと後回しにせず、これを機に必ず手を入れておくべきだ。

【緊急対策1/投資】インフレ注目銘柄を狙う「攻め」と保険や住宅ローンなど「守り」を意識

 資源高や円安で負担増に苦しむ企業が多い半面、エネルギーや輸出関連など、それらを追い風にして値上がりに期待できる銘柄を狙い撃ちする。株式や投資信託だけでなく、住宅ローンの借り換えや保険の見直しなど守りの意識も重要だ。

海外の資源権益を持つ三菱商事の株価(上)。保険の見直しも検討したい(下)
海外の資源権益を持つ三菱商事の株価(上)。保険の見直しも検討したい(下)

【緊急対策2/買い物】ポイ活をアップデートして商品値上げ分のカバーを狙う

 制度変更などで変化が目まぐるしいポイ活は、最新情報を取り入れて充実させたい。2桁の高還元率も狙えるので値上げラッシュへの対策に有効だ。将来的な物の値上げタイミングを見極め、安く買う工夫も欠かせない。

クレカの制度変更にも要注意(上)。楽天市場ではスーパーポイントアッププログラム(SPU)で高い還元率を目指したい(下)
クレカの制度変更にも要注意(上)。楽天市場ではスーパーポイントアッププログラム(SPU)で高い還元率を目指したい(下)

【緊急対策3/固定費】通信料金は“現状維持厳禁” 電気代高騰にも対抗できる

 毎月支払う固定費も必ず見直す。まだ大手キャリアと契約したスマホを使っている人は、乗り換えの検討が必須だ。電気代も高騰が続くが、新電力への切り替えなどで対策が打てる。

新電力への乗り換えで電気代を下げられる可能性も(上)。固定費の削減には、細かい家計管理でムダを無くすことも重要。アプリを活用できる(下)
新電力への乗り換えで電気代を下げられる可能性も(上)。固定費の削減には、細かい家計管理でムダを無くすことも重要。アプリを活用できる(下)

(写真/古立 康三、PIXTA、イラスト/タイマタカシ)

注)「逆境に勝つマネー術」は、「日経トレンディ」2022年7月号に掲載しています。日経クロストレンド有料会員の方は、電子版でご覧いただけます。
▼関連リンク 「日経トレンディ」(電子版)
「日経トレンディ2022年7月号」の主な内容を紹介
【逆境に勝つマネー術】
PART1 投資編
●「預金だけ」では資産は守れない! 株、投信、外貨、金、不動産でインフレ対抗
●変動金利を選ぶ時代は終了? 今こそ住宅ローンの借り換えのラストチャンス PART2 買い物編
●値上げラッシュが家計を直撃。全35ジャンルの値上がり予測を大公開
●有利な決済・店舗イベント・株主優待をフル活用! 21チェーン店の得ワザを徹底調査
PART3 固定費編
●スマホ料金の乗り換えリスクは“ゼロ”。サブブランドなら5割以上安くなる
●値上がり・撤退リスクをどう避ける? 新電力乗り換え4つの鉄則
【「100円ショップ」ベストバイ52】
●「時短クッキング」のための最新グッズ続々
●あらゆる小物を浮かせる、最強の収納
●雨対策からテレワーク快適化まで逸品発掘
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