
植物性代替肉の米インポッシブルフーズや米ビヨンドミート、フードデリバリーの米ウーバーイーツや米ドアダッシュなど、世界ではフードテック領域のスタートアップの成長が著しい。投資マネーが集まることで勢いは増幅し、市場拡大をけん引している。では、日本発のフードテックスタートアップはどうだろうか。4つの視点で有力企業を解説していく。
2017年に初開催した「スマートキッチン・サミット・ジャパン(SKS Japan)」以降、国内外のフードテック領域の動向を見てきた筆者(シグマクシス岡田亜希子)は、日本のフードテックスタートアップの特徴は大きく下記の4パターンが存在すると分析している。
以上、ピックアップした日本の注目スタートアップは14社。では、早速各パターン別に世界に誇るべきスタートアップについて解説していこう。
注目スタートアップ、世界に誇るべきポイントは?
(1)コロナ禍を乗り越えろ
コア事業を成長軌道に乗せた「着実成長型スタートアップ」
リモートワークなどの在宅時間が増え、一層の体調管理への意識が求められる新型コロナウイルス禍を経て、食生活を改めて見直そうと考えた人も多いことだろう。
そんな中、ここ1年ほどの急成長が注目されているのは、完全栄養食のベースフード(東京・目黒)だ。主食のアップデートを目指し、1日に必要な栄養素の3分の1を取れるパンやパスタ、クッキーを提供している。22年2月時点で月間定期購入者数は10万人を突破、これは2年前の同月比で10倍という躍進ぶりだ。シリーズの累計販売数に至っては4000万袋を超える。
こうした波に乗り、22年5月には完全栄養食のミニ食パンタイプの販売も開始した。17年にD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)モデルで「ベースパスタ」の販売を開始した同社は、その後、別の主食ジャンルであるパンに進出。20年のSKS Japanでは、味の素との商品開発における協業を発表した。そして21年3月には、ファミリーマートなどコンビニでの販売を開始し、生活者がより気軽に試せる機会が増えた。
これまでの完全栄養食といえば、海外ではドリンクやプロテインバー、サプリメントの組み合わせが多く、いずれも「食事」という形ではなかった。パンは世界の多くの国で主食として好まれており、同社の技術が完全栄養食を日常化させ、世界の食卓のアップデートに貢献することは間違いないだろう。
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