
本特集では「顧客体験価値(CX)ランキング2022」の結果を通じ、さまざまな視点から顧客の心理と体験価値の関係性について考察を重ねてきた。最終回となる今回は、トップブランドと業種平均のCXスコアのギャップが大きい3業種に注目し、考察を加えてみたい。
業種別平均とトップブランドのCXスコアのギャップを見ると、特に差が大きいのが、アパレル(服飾雑貨、靴、かばん、アクセサリー、宝飾など)、ライフヘルスケア(製薬会社、ドラッグストア、健康食品など)、物流(運送、宅配業、郵便など)だ。
いずれの業種も、図2で示した顧客関係性の4段階で理想とすべきSynergistic(なくてはならない存在)のグループにトップブランドがいるのに対し、業種平均ではPartnership(信頼できる仲間)または、Transactional(損得だけの付き合い)にとどまっている(顧客関係性の4段階については以下の第1回記事を参照)。なぜここまで大きなギャップが生まれるのだろうか。
「無印商品」は価格と品質のバランスが高評価
アパレルへのネガティブコメントはデザイン性だけでなく、ファストファッションのビジネスモデルや労働資源を海外に求める生産体制への批判なども見られる。しかし、やはり最も大きいのは価格や品質、接客サービスに対するものだ。
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