
岩岳リゾート(長野県白馬村)は2021年11月、山頂付近に展望エリア「白馬ヒトトキノモリ」を開業した。そこに同社の和田寛社長は東京・表参道や京都・嵐山で若い女性や観光客に大人気のティーラテ専門店「CHAVATY(チャバティ)」を誘致。都会でも出店依頼の絶えない同店が、なぜ白馬を選んだのか。運営会社の狙いを探った。
白馬岩岳の山頂に“おしゃれな店”を呼びたい――岩岳リゾートの和田寛社長は、魅力的なエリア開発と集客に向けた基本路線についてそう言ってはばからない。目指す白馬の通年型マウンテンリゾートに向けた道筋は常にシンプルだ。
既に紹介したように、白馬三山の絶景を満喫すべく2018年10月に開業した絶景テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」が大当たり。そこに併設した人気ベーカリー「THE CITY BAKERY(ザ・シティ・ベーカリー)」によって、来場者数の大幅アップにつなげた。最高の景色に加えリゾートとしての快適さを求めるなら、クオリティーが高く集客力のあるブランドを白馬岩岳に誘致する。特にF1層(20~34歳の女性)を意識しているだけに、和田社長は“おしゃれな店”に対して思い入れがある。
白馬岩岳マウンテンリゾートは21年11月、新エリアとして白馬ヒトトキノモリを開業した。そこへ招いたのが、スイーツ激戦区の東京・表参道や日本有数の観光スポットである京都・嵐山に店を構えるティーラテ専門店「CHAVATY(チャバティ)」だ。もちろん、情報感度の高い10~20代の若い女性が行列をつくるほどの集客力を備えた人気店である。和田社長自ら岩岳リゾートの幹部社員を率いて、共に表参道の店舗で“実力を検証”したのだから間違いない 関連記事:「ガチな『白馬愛』が生むシナジー 社員が明かす熱血社長の素顔」 。
長野県に初出店となる「CHAVATY HAKUBA(チャバティ白馬)」では、地元食材を使ったピクニックセットや長野県内の北部に自生する「クロモジ(黒文字)」の樹木を使った白馬限定の焼きたてスコーンなども提供する。こうした地域に合わせ、店ごとに異なるメニューやコンセプトを取り入れるのもチャバティの特徴だ。
「どこでやるか」ではなく、「誰とやるか」
チャバティは18年7月、東京・表参道に1号店をオープンした。風味や食感を追求して開発したティーラテやスコーン、独自の製法で茶葉を丸ごと使用したソフトクリームといったメニューが好評で、今では行列ができるほどの人気店となっている。その後19年7月に京都・嵐山に国内2号店を出店した他、東京・渋谷や神奈川・本厚木、そしてインドネシアのジャカルタにも進出。今回のチャバティ白馬が5店舗目となる。
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