
- 全6回
軌道に乗るか 企業のデータ“販売”
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- 第1回
- 2022.05.30
諸刃の剣「データ外販」踏み切る企業が続々 個人情報は大丈夫か 活動を続ける中で自社に蓄積される、いわゆるファースト・パーティー・データを活用して新たな価値を創造できないかと考える企業は少なくない。その手法の1つが、統計処理などの加工を施したデータの“外販”である。だが安易に収益化だけを目指すと手痛いしっぺ返しを食らう可能性が高い。最近のデータ“外販”の動きと、批判やあつれきなしでの外販を可能にする条件を探った。 -
- 第2回
- 2022.05.30
9年前の失敗から何を得た? JR東日本がSuicaデータ外販に再挑戦 JR東日本が2022年5月、自社に蓄積されたデータの“外販”に乗り出した。交通系ICカード「Suica(スイカ)」の乗降利用データを社内で統計処理し、定型リポート「駅カルテ」の形で、自治体や企業向けに販売を始めたのだ。13年にもSuicaのデータ活用を試みながら、「個人情報保護への配慮が足りない」と利用客などの大きな反発を招き、事業を中止してから9年──。ようやくデータの“外販”にこぎ着けた格好だ。その狙いや、個人情報にどう配慮したかなどを追いかけた。 -
- 第3回
- 2022.06.01
月5390円! ソフトバンクと気象協会が提供する予測データの中身 ソフトバンクは、日本気象協会とともに、自社が抱える人流データに日本気象協会が保持する気象データを加え、AI(人工知能)を活用して需要を予測するサービス「サキミル」を小売り・飲食業界向けに開発し、2022年1月31日から提供を始めた。NTTドコモの「モバイル空間統計」をはじめ人流データを提供するサービスは既にあるが、気象データを加味し、業界を絞って需要予測サービスを提供するのは初の試み。その狙いを探った。 -
- 第4回
- 2022.06.03
花王社長が檄 1600項目の“仮想人体データ”を日清に提供開始 花王は2022年2月、国内AI(人工知能)スタートアップのトップランナーとして知られるプリファード・ネットワークス(Preferred Networks、PFN)と共同で「仮想人体生成モデル」を開発した。性別、年齢、血液検査値、ストレスの状態、睡眠の状況など一部の項目(属性)のデータを入力すると、そのデータに該当する人間について、健康や生活に関連する1600項目以上のデータを推計して、出力する。花王はこのモデルを外部の企業に提供し、BtoC企業向けの新規のプラットフォーム事業として展開していく考え。仮想人体生成モデルの内容とそのビジネスモデルを解説する。 -
- 第5回
- 2022.06.08
ANAマイル経済圏を構築する3つの手立てとは 移動ビズから脱却 データを外部に販売する前に、ファーストパーティーデータの充実に力を注ぐ企業もある。これまで主に飛行機に搭乗すると顧客に付与されていた「マイル」を利活用できる場を増やし、得られたデータを使って顧客の満足度のさらなる向上を狙う全日本空輸(ANA)は、その1社だ。マイルの価値を高める同社の狙いと施策を追った。 -
- 第6回
- 2022.06.10
花王と日ハムが好相性? 13企業がデータ共有する壮大な実験とは 自社に蓄積されたファーストパーティーデータの活用法として、データを共同利用するという使い方を進める企業もある。九州に本拠を置くディスカウントストアのトライアルホールディングス(トライアルHD、福岡市)がその1社だ。データを共同利用して何が得られるのか──。トライアルHDと、ともに研究・開発を続けるメーカー各社の取り組みや狙いを探った。