
無料メッセージアプリとして開発された「LINE」は、メディア、ゲーム、ポイントなどへと事業領域を広げ、今や国内で9200万人が利用するコミュニケーションのインフラへと成長した。そのLINE上で提供されるマーケティングサービスも大きく進化し、それに合わせてLINEのマーケティング活用の“常識”も変化してきた。本特集ではLINEマーケティング支援の専門家や先進企業の事例から「5つの新常識」を導きだした。
2011年3月11日、東日本大震災という未曽有の危機に見舞われる中、被災地の通信手段がまひ。電話やメールによる安否確認すら困難になった。このような緊急時にこそ、きちんと連絡を取れるサービスが必要だという企画者の思いの下、急ピッチで開発され、同年6月から提供が始まったのが「LINE」だ。メールやSMS(ショート・メッセージ・サービス)とも異なる、スマートフォン時代の新たなコミュニケーションツールが誕生した。
それから10年以上がたち、LINEの日本の利用者数は9200万人を超え、今や日本国民の大半が利用するコミュニケーションのインフラへと成長した。LINEは人と人だけでなく、企業と人をつなぐマーケティングサービスとしても、もはや欠かせない存在だ。企業が利用するアカウントのうち、LINEに認証された「認証済みアカウント」であれば、33万件が機能を月に1回以上利用するアクティブなアカウントだ。中小から大手まで、さまざまな企業がLINEをマーケティングに活用している。
LINEをマーケティングに活用する場合、その目的は大きく「コミュニケーション」と「広告」の2つに分けられる。コミュニケーションはメッセージを中心に、登録者に直接情報を届ける方法。広告は新規顧客開拓などを目的とした、LINEの広告プラットフォームへの出稿だ。本特集ではそれぞれの活用法における「5つの新常識」を導き出した。これらを踏まえて活用することが成果を出すうえで重要になる。
これらの新常識について詳しく解説していこう。まずはコミュニケーションの領域だ。LINEを通じた消費者とのコミュニケーションの要となるのが、LINE公式アカウントだ。LINEが提供するマーケティング支援サービスの1つで、企業やブランド、商品名義でLINE上にアカウントを開設し、アカウント登録者に対してメッセージを配信でき、メールマーケティングの代替手段として知られる。提供開始は12年で、LINEがマーケティング支援サービス参入時から提供してきた最も歴史があるサービスの1つだ。それゆえに、性能や料金体系は大きく進化してきた。当然、活用の常識もそれに伴って変化している。
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