オンライン接客 vs リアル接客 第8回

プチプライスの雑貨やアパレルを販売する「オーサムストア」。2021年、ECサイトをリニューアルした。サイト上にスタッフによる投稿画像を掲載するのが目的だ。その結果、1年でEC売り上げが2.5倍に拡大。急成長を支えた、オーサムストアのオンライン接客実践例とは。

 2014年に東京・原宿に1号店が誕生して以来、全国で65店舗(22年5月時点)を展開する「オーサムストア」。アメカジ風デザインとリーズナブルな価格で人気を集めるライフスタイルショップだ。運営元のオーサム(東京・渋谷)は21年3月、リアル店舗とECサイトのOMO(オンラインとオフラインの融合)化を目指し、ECサイトのリニューアルを実施。そこから僅か1年でECサイトの売り上げが2.5倍に拡大するなど、急成長を遂げている。売り上げ増に大きく貢献しているのが、ECサイトリニューアルを機に始めたスタッフによるオンライン接客だ。急成長を支える同社のオンライン接客事例を紹介する。

スタッフの画像投稿で、レトルト食品のEC売り上げ2倍に

 オーサムがECサイトのリニューアルに伴い始めたのが、店舗スタッフによるオンライン接客だ。同社では主に、スタッフが撮影した画像をECサイトに投稿する「オーサムスタイリング」と、東京・渋谷の「AWESOME STORE TOKYO(オーサムストアトーキョー)」店内に設けた専用スペースなどから発信するライブ配信接客「オーサムチャンネル」の2つに注力している。

 オーサムスタイリングは、自社で扱う商品をスタッフ一人ひとりが自在にアレンジし、自身の感性で投稿するというもの。スタッフの自宅で撮られることも多いこれらの投稿は、いわゆるプロのフォトグラファーが撮影した「物撮り」とは違い、スタッフ一人ひとりの個性が存分に発揮される。特にオーサムストアでは、雑貨、食品、ペット用品などライフスタイルにひも付く商品をメインに扱っているため、スタッフはこれらをリアルな自分の生活空間の中で表現し投稿できる。

オーサムストアのECサイト内で紹介されているスタッフによる画像投稿
オーサムストアのECサイト内で紹介されているスタッフによる画像投稿

 中には上記写真の左上の画像のように、飼い猫が“モデル”になりペット用品の写真に収まるといったこともある。こうした画像は、ECサイトを訪れた客に「自分だったらどう使うだろうか?」「この商品を使えばどんなSNS映えする写真が撮れるだろうか?」という気持ちにさせる。この「自分事化しやすさ」がダイレクトに購買につながるところが、スタッフの画像投稿を利用したオンライン接客のメリットだ。

 そうしたスタッフの画像投稿を利用した商品の中で人気があるのが、21年3月から販売を開始しているプランター、土、種がセットになった栽培キット。販売開始から半年間で2万個を売るヒット商品になった。「ノンアルコールのなんちゃってモヒートを作りました」など、育った後のイメージを、画像を通して伝えられたことが販売につながった要因だという。

購入後のイメージが伝わりやすい画像投稿は、客の購買意欲を喚起しやすい
購入後のイメージが伝わりやすい画像投稿は、客の購買意欲を喚起しやすい

 また食品も人気カテゴリーだ。オーサムストアで取り扱っているフードアイテムはパッケージのインパクトが強いことから、ビジュアル面を生かした投稿でスタッフが個性を表現しやすく、売り上げへの貢献度合いが高い。

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