2022年5月2日発売の「日経トレンディ2022年6月号」 ▼Amazonで購入する では、「2022年上半期ヒット大賞&下半期ヒット予測」を特集。美術館では、2022年2月に開館した大阪市の「大阪中之島美術館」が最大の目玉となった。開館記念展には、予想の倍を超す12万人以上が訪れた。下半期は、話題のNFTアートに特化した「NFT鳴門美術館」に注目だ。

※日経トレンディ2022年6月号より。詳しくは本誌参照

上半期は、大阪市の「大阪中之島美術館」(左)が最大の目玉。下半期は、「NFT鳴門美術館」(右)に注目だ
上半期は、大阪市の「大阪中之島美術館」(左)が最大の目玉。下半期は、「NFT鳴門美術館」(右)に注目だ
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 ウィズコロナが続く2022年だが、美術館のオープンやリニューアルは着実に進んでいる。新設・刷新された美術館が何を発信しようとしているのか、その裏側を解説する。

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 最大の目玉は、2月に開館した大阪市の大阪中之島美術館だ。設立構想は1983年だが、市の財政難や、計画の見直しがたびたび起こり、開館までには約40年を要した。館長・菅谷富夫氏は、「2016年に、PFI法に基づくコンセッション方式を国内美術館として初めて採用。運営は民間が担い、そのノウハウによる創意工夫が生かされる美術館になった」と話し、作品を並べるだけではない美術館を目指す。

 特徴の1つ目は人が集まる場であること。パッサージュ(通路)がぜいたくに取られ、誰もがふらりと入り、休憩したり、何気なくアートと触れ合ったりできる。2つ目は収集方針。大阪ならではの美術、モダンデザインを軸として収集、情報発信する。例えば目と鼻の先に展示施設「グタイピナコテカ」があった前衛芸術集団・具体美術協会や、大阪出身の画家佐伯祐三の作品などだ。家電など工業デザインのアーカイブ化もユニークな取り組み。パナソニックと共にプロジェクトを立ち上げ、さらに発展させている。

 まん延防止等重点措置期間中の開館記念展「超コレクション展−99のものがたり−」には、予想の倍を超す12万人以上が訪れ、期待の高さを裏付けた。

■大阪中之島美術館
■大阪中之島美術館
屋外と館内に大阪出身の現代アーティスト、ヤノベケンジ氏の作品を展示する
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