2022年5月2日発売の「日経トレンディ2022年6月号」 ▼Amazonで購入する では、「2022年上半期ヒット大賞&下半期ヒット予測」を特集。新しいスタイルのお酒を生み出そうと試みる動きが、全国各地に広がっている。若手のスタートアップ経営者が担い手となり、「日本酒×カカオ」など革新的なアイデアが続々と登場する。スタートアップならではの酒造りブームを解析した。

※日経トレンディ2022年6月号より。詳しくは本誌参照

秋田県の稲とアガベの商品。(左)輸出用清酒「<星>SAKE series」※海外でのみ販売、(中央)どぶろく「<土>DOBUROKU series どぶろく」実勢価格3300円(税込み)、(右)ボタニカル酒「<風>CRAFT series 稲とアガベ」実勢価格3300円(税込み)
秋田県の稲とアガベの商品。(左)輸出用清酒「<星>SAKE series」※海外でのみ販売、(中央)どぶろく「<土>DOBUROKU series どぶろく」実勢価格3300円(税込み)、(右)ボタニカル酒「<風>CRAFT series 稲とアガベ」実勢価格3300円(税込み)

 伝統的な製法にとらわれない新しいスタイルのお酒を生み出そうと試みる動きが、全国各地に広がっている。担い手は、若手のスタートアップ経営者だ。既に耳が早い酒愛好家を中心にファンが増えつつある。

 日本酒で期待の新星といえるのが、秋田県の稲とアガベだ。実は日本酒業界では、新規の製造免許が長年発行されてこなかった。そこで同社は、比較的ハードルが低い「その他の醸造酒」の免許を取得。テキーラの原料であるアガベなどを副原料として日本酒に配合した醸造酒や、どぶろく造りなどを進めている。2021年11月、男鹿市内に醸造所を稼働させた。

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 副原料を日本酒に配合するスタイルは山形県のWAKAZEなども先行して取り組む。稲とアガベ独自の特徴は、自然栽培米ならではの味の豊かさと、環境負荷の低さの両立にある。ベースとなる日本酒は、精米歩合を必要最小限の90%程度にとどめて原料の廃棄率を抑えつつ、50%以上削る大吟醸に比肩するおいしさを目指す。「いかに磨くかを競ってきた昨今の日本酒の世界の常識をサステナブルで壊したい」。社長の岡住修兵氏の鼻息は荒い。

 もろみを圧搾した後に残る酒かすを有効活用しようと、ビーガン向けのマヨネーズをつくるアイデアもある。年内に、製造ラインを稼働させる計画だ。

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