2022年5月2日発売の「日経トレンディ2022年6月号」 ▼Amazonで購入する では、「2022年上半期ヒット大賞&下半期ヒット予測」を特集。2022年上半期のヒット商品と下半期のブレイク商品を一挙に紹介する、日経トレンディ恒例企画。20年から始まった巣ごもり需要で、必要な商品は一通り買ってしまったという人が多い。そんな中、家の課題を解決に導く商品がヒットをつかんだ。
※日経トレンディ2022年6月号より。詳しくは本誌参照
2022年上半期ヒット大賞
新型コロナウイルスの感染拡大から2年が過ぎた。新規感染者数はまだ多く油断は禁物ではあるが、2022年3月21日でまん延防止等重点措置が解除されたこともあり、消費行動は以前よりも前向きだと感じられる。一方で、20年から始まった「巣ごもり需要」によって、「必要な商品は一通り買ってしまった」という人は多い。そんな中で売っていくために、家の中のさらなる課題発見能力がメーカーには求められている。
「日経トレンディ2022年6月号」の購入はこちら(Amazon)

その一つのアプローチが、性能だけでなく、使い勝手の良さにも磨きをかけることだ。ごみ捨ての回数を飛躍的に減らせるスティック掃除機や、ボトルを引っくり返さなくても洗剤が出る「逆さボトル」など、「名もなき家事解決」とも言えそうな、こまごまとした作業を減らせる商品がヒットした。
美容・健康分野では、睡眠などによる回復(リカバリー)方法が見直し対象になった。単に不足した栄養を補うのではなく、睡眠中などに体力を回復することも重要。その効果が期待できるグッズや栄養ドリンクが注目された。
もう一つ上半期に目立ったのが、かつての定番商品の返り咲きだ。「マルエフ」の愛称で呼ばれた「アサヒ生ビール」が、28年ぶりに復活し、アサヒスーパードライ、キリン一番搾りに次ぐレベルの売れ行きを見せている。ここ数年、多目的スポーツ車(SUV)に押されがちだったミニバンも、トヨタ自動車の「ノア/ヴォクシー」が8年ぶりに大幅なモデルチェンジを果たし、注文が殺到している。ミニバンへの回帰は、下半期以降の家族旅行などの復活に期待した消費行動とも言えるだろう。
上半期ヒットキーワード(1)「名もなき家事解決」
「時短」や「省力化」をうたう家電や日用品は既に多数あり、楽にすべき点をいかに見つけるかが企業の腕の見せ所。「おしゃれ着洗剤」も自動投入できる洗濯機や、電子レンジ調理だけで「ゆでたて」の食感を出せる即席めんなど、気が利く商品がヒットした。
上半期ヒットキーワード(2)「サステナ健康体」
「ステイホーム」から、部分的にでも以前の活動に戻ると疲れを感じるもの。睡眠中に身体を回復できるとうたう栄養ドリンクや耳栓が売れた。肌の脂質の構造を回復させることで、長時間潤いが保つ美容液もヒットしている。
上半期ヒットキーワード(3)「華麗な返り咲き」
28年前の生ビールや、近年SUVに押され気味だったミニバンなど、過去のブランドと思われていた商品が再販やリニューアルなどで再び脚光を浴びた。定番商品が色や容器を変えただけで売れ行きを伸ばしたケースもある。
2022年下半期ヒット予測
では、22年下半期に向けて期待できるのはどのような商品か。まず期待できるのは、これまでとはがらりと変わった手法で、日常生活の様々な悩みを解決する商品だ。ここ数カ月では、水流ではなく超音波で汚れを落とす食洗機や、布の代わりに特殊ウレタンスポンジを使ったスティックタイプの“タオル”、置くだけで効果のある風呂用防かび剤などが続々と商品化されている。問題解決の手法が違う商品なら、既に似た商品を持っていても「一度試してみよう」と手を伸ばしやすい。口コミなどで評判が広がれば、使い慣れた商品からの“大移動”が起こる可能性もある。
高額商品の代表格であるテレビとクルマでは、次世代の標準と言える新規格が普及期に入り、「元年ラッシュ」が起きそうだ。液晶テレビのバックライトを改良して有機ELに迫る明暗差を出せる「ミニLEDテレビ」は、21年12月に発売したシャープに続いて、TVS REGZAやソニーが海外展示会で製品を披露した。なかなか普及が進まなかった電気自動車(EV)も、軽自動車規格に対応し、補助金などを含めれば200万円以下で購入できる“軽EV”の発売を、日産自動車と三菱自動車が予定している。どちらも複数の国内メーカーが参入するため、普及が一気に進む可能性を秘めている。
下半期ヒット予測キーワード(1)「お悩み“快決”」
超音波を使う食洗機や、置くだけで効果のある防かび材、薬の代わりになるアプリなど、画期的な手法で家庭内の問題を解決する製品なら買い替えにつながる。スタートアップや大手企業が手掛けた画期的な製品が増える。
下半期ヒット予測キーワード(2)「元年ラッシュ」
液晶テレビのバックライトを改良した「ミニLEDテレビ」や、軽自動車規格の電気自動車など、次世代の標準と目されている製品を複数のメーカーが投入する。活動量計も腕輪から指輪へと、一気に世代交代が進むかもしれない。
下半期ヒット予測キーワード(3)「まさかのコラボ」
高級時計オメガとカジュアル時計スウォッチの組み合わせなど、意外性のあるコラボは爆発力がある。22年11月のワールドカップは、有料の衛星放送やネット配信ではなく、無料のABEMAが生中継。同社躍進の起爆剤になるかも。

●U4万円! 初心者が買いそろえるべきソロキャン最強グッズを選定
●超格安でも機能は十分? ワークマンのキャンプグッズを検証
●プロが推薦! 格安キャンプ道具逸品カタログ
●即席シャワー、簡易ハンモック…などアイデア逸品が続々
●「ゆるキャン△」一大ブームの背景、新作映画公開、作中登場グッズ集
●インタビュー 「ゆるキャン△」各務原なでしこ役
花守ゆみり(アニメ版)/大原優乃(ドラマ版)
【2022年上半期ヒット大賞&下半期ヒット予測】
●【食品】「冷凍」の活用やコラボの拡大で即席麺競争が激化
●【飲料・酒類】コーラもサワーもクラフト化。ビール大物の復刻&刷新も
●【日用品】泡&ボトルで「逆さ」対応。洗剤は使い勝手で選ぶ時代に
●【雑貨】ついに炭酸対応! 国内メーカーの水筒が進化
●スペシャルインタビュー 松坂桃李
▼「日経トレンディ2022年6月号」をAmazonで購入する