
SNSの会社として多くの人に認知されてきたミクシィ。だが昨今はコングロマリット化が進み、2022年4月、コーポレートブランドをリニューアル。パーパスを最上位概念として、企業理念全体をアップデートした。
ミクシィが最上位概念に制定したパーパスは、「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む」。これがミクシィの目指すゴールである。このパーパスを追求するためのミッションとして「『心もつながる』場と機会の創造」、さらにそれを実現するための意思決定の軸として、ミクシィ・ウェイ「ユーザーサプライズファースト」を制定。さらにユーザーサプライズを起こしていくために、従業員がとるべき姿勢や行動指針として「発明」「夢中」「誠実」という3つのバリューを定めた。
きっかけはコングロマリット化と……
コーポレートブランドをリニューアルする背景にあったのは、「コングロマリット化が進んでいること」と代表取締役社長の木村弘毅氏は語る。ミクシィの創業は1997年。IT・Web業界に特化した求人情報サイト「FIND JOB!」の運営会社としてのスタートだった。2004年にSNSの「mixi」をリリース。以降、ミクシィはソーシャルプラットフォームとして認知が広がり、06年には社名もイー・マーキュリーからサービス名と同じミクシィへ変更した。
08年にTwitterやFacebookが日本に上陸したことで、「ソーシャルプラットフォームとしてのポジションは厳しくなった。ソーシャルプラットフォームの上で使われるソーシャルアプリのレイヤーであれば勝負できる」(木村氏)と考え、13年にはスマホゲームアプリ「モンスターストライク(モンスト)」をリリースした。近年では、プロサッカークラブ「FC東京」やプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」の運営などのスポーツ事業、ID・決済などのプラットフォーム「MIXI M」を展開するなど、ミクシィグループが手がけるサービスの幅は非常に広がっている。
「以前はSNSのmixi=ミクシィでよかった。しかし手がける事業やブランドが増えて、『我々は何者であるか』『誰が顧客なのか』などを明確に言語化することが必要だった」(木村氏)
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