
英国発のコスメブランド「LUSH(ラッシュ)」は、パーパスに当たるものとして「地球をよりみずみずしく、豊かな状態で次世代に残す」という概念を掲げる。2021年、一部のSNSの活用を中止したのは、そのパーパスを実現するためだった。
ラッシュが掲げる「地球をよりみずみずしく、豊かな状態で次世代に残す」という概念は、他社でいうパーパスに相当するものだという。
この概念が示すのは、「地球に暮らすすべての生物(人や動物)」がウェルビーイングであること。ここでいうウェルビーイングとは、地球はもちろん、人々の人生そのものが「青々としている」状態。単に人や地球に優しい商品を作るだけではなく、企業の在り方を通して人々の人生に影響を与え続けていきたいと考えている。
ラッシュは、パーパスを実現するためにいくつかの行動規範を持つ。「動物実験をしない」「ベジタリアン対応の原材料のみを使用する」「商品そのものに製造年月日を明記する(常に新鮮な商品を届ける)」「合成保存料やパッケージは可能な限り使用しない」などだ。
そんなラッシュが、2021年11月26日に一部のSNS(FacebookやInstagramなど)から一斉に「サインアウト(更新停止)」し、話題を呼んだ。多くの企業にとって、SNSは欠かせないマーケティングツールだ。当時のラッシュでも、この施策が原因で全世界合計で約15億円の損失があると予想しており、かなり大きな決断だったことが分かる。
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