会員との密接なコミュニケーションを取るため、週に2回程度の定期メールを送っている。さらに誕生日や、購入から経過した期間や購入頻度に応じて自動で配信する設定をしている。「会員登録やアプリインストール、初回注文、リテンション(継続的な利用)といった、シンプルなジャーニーを意識しており、特に初期のお客様の体験を重視している」(重兼氏)。そのため、新規登録をした人がオンボーディング(スムーズな利用開始)できるよう、会員登録後の1~2週間でウエルカムメールを中心とした複数回のコミュニケーションを実施している。

(22年2月掲載の特集「マーケツール導入/乗り換えの極意」を細分化したものです。)
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新しい店舗をつくったときなどの利用定着を促すうえでも、顧客とのコミュニケーションが重要になる
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 顧客とのワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを構築するうえでは「期間限定メニューを購入した人へ送りたい」「特定の時間帯に利用した人へ送りたい」といったさまざまなシナリオが想定できる。それでも「複雑なシナリオは考えないほうがいい」と重兼氏は指摘する。凝りすぎたシナリオは一部にしか届かず、本末転倒の状況になりがちだからだ。新しいシナリオを追加する際には、一度立ち止まり、例えば「オンボーディングを強化する」といった本来の目的に沿っているかを見直すことが大切だ。

公式アプリでは、誕生日やキャンペーン、利用開始後の利用(オンボーディング)を促すメッセージをプッシュ通知で送っている
公式アプリでは、誕生日やキャンペーン、利用開始後の利用(オンボーディング)を促すメッセージをプッシュ通知で送っている

 メールだけでなく、ピザハット公式アプリのプッシュ通知もマーケティングクラウドから一括管理して送信している。さまざまな経路で送信すると、わずらわしいと感じられてしまう可能性もあるため、送信タイミングを変えるなどの調整を加えている。

 LINE公式アカウントとの連携も進める。現状の友だち登録は160万人近くで、現状はLINEが提供する管理画面から公式アカウント向けのお知らせを配信している。22年内には、セールスフォースのMAツール上でLINEを通したワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを取るための施策を進めていく考えだ。

ピザハットのLINE公式アカウント。友だち登録は160万人近く。今後、LINEのコミュニケーションもMAツールを活用する方針だ
ピザハットのLINE公式アカウント。友だち登録は160万人近く。今後、LINEのコミュニケーションもMAツールを活用する方針だ

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