会員数550万人超を持つ電子コミック配信サービス「まんが王国」を展開するビーグリーは、2021年8月にレコメンドツールを切り替えた。切り替えは経営戦略の転換に起因する。マーケティングツールは提供会社によって開発方針が異なるため、経営戦略や事業戦略に合わせて、適切なツールへと乗り換えるのも真価を引き出す重要なポイントだ。ビーグリーは候補の中から最も適したツールを選ぶため、約1年にわたる徹底したABテストを実施。ツールの乗り換えによって、顧客の平均購入単価の引き上げに成功した。

(22年2月掲載の特集「マーケツール導入/乗り換えの極意」を細分化したものです。)
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会員数550万人超を持つ電子コミック配信サービス「まんが王国」を展開するビーグリーは、経営戦略の転換に合わせてレコメンドツールを乗り換えた
会員数550万人超を持つ電子コミック配信サービス「まんが王国」を展開するビーグリーは、経営戦略の転換に合わせてレコメンドツールを乗り換えた

 マーケティングツールはカテゴリーによって乗り換えや導入のしやすさが大きく異なる。CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)やCRM(顧客関係管理)ツールといった大量のデータを蓄積するようなシステムはデータの移行などが伴うため、おいそれと乗り換えることが難しい。そのため、一定の契約期間が経過し、サポート対象から外れるといった大きな節目で乗り換えるケースが大半だ。

 一方、レコメンド、Web接客、広告の誘導先のページ構成を最適化するLPO(ランディングページ最適化)、EFO(エントリーフォーム最適化)といった、導入するページにコードを埋め込むだけで動作するタイプのツールは乗り換えが比較的簡単だ。自社の事業戦略や経営戦略に合わせて、適したツールを都度選択することで、目的に沿った成果を上げられる。

 電子コミックの配信サービス「まんが王国」を展開するビーグリーは、経営戦略に合わせて適したツールを選択することで、事業成長につなげてきた一社だ。同社は21年8月に従来利用してきたレコメンドツールから、シルバーエッグ・テクノロジーのツールへと乗り換えた。経営戦略を「新規顧客の獲得重視型」から、顧客1人当たりの収益を高める「LTV(顧客生涯価値)重視型」へとかじを切ったことが乗り換えの理由だ。

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