Treasure Data CDPを導入した2016年当初、活用範囲はあくまで分析基盤にとどまっていた。JTは顧客管理システムとプロモーション用のシステムを、自社のサーバー上で構築するオンプレミス型(システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、ソフトウエアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態)で運用してきた。
Treasure Data CDPの位置付けは、それらシステムと連係して動かすための「あくまでのデータ分析・統合・データマート(情報システムに記録・蓄積されたデータから、利用部門や用途、目的などに応じて必要なものだけを抽出、集計し、利用しやすい形に格納したデータベース)作成の箱であって、一次データの保管場所ではない」(平谷氏)。
社内の複数のシステムからTreasure Data CDP上に加工したデータを収集し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールで分析したり、MAツールでターゲットをセグメントしたりするといった使い方をしてきた。「Treasure Data CDPは、分析8割、施策実行2割ぐらいの立ち位置だった」(平谷氏)
18年ごろから徐々にトレジャーデータの重要性が高まっていく。ポイントは2つある。1つは「オンプレミス型からの脱却」だ。「多くのパッケージでも5年でサポートが終了する。フルスクラッチ(既存のシステムを使わず自前で構築)で構成したシステムを含め、5年ごとにリプレースの必要性に悩まされ続けてきた」と平谷氏は説明する。システムの構築や保守にも人とカネがかかる。定額制で契約するクラウド型のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)であればサポート切れの心配もなく、運用業務にリソースを割く必要がなくなる。
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