「今まではだましだましやってきた。システムの制約でカスタマイズができず、我々の理想とするサービスを提供できなかった」と、ヤッホーのECサイトシステムリニューアルプロジェクトリーダーである大友直也氏は話す。
実は以前から、配送するビールの種類を1本単位で指定するサービスは存在していたが、「理想とするサービスにはなっていなかった」(大友氏)。例えば、ログイン方法。従来のECカートではビールを1本ずつ選ぶための実装が難しく、別のEC管理ツールを組み合わせることで実現していた。ユーザーはECサイトとは別に、1本ずつ選ぶためのIDによる2重のログインが必要だった。
増築を重ねて迷路のようになった古い旅館のように、機能の付け足しでさまざまな課題を抱えるようになっていたというわけだ。運用も複雑化していた。主にパソコン向けの画面だったので、スマホ上では見づらいことも課題だった。
抜本的な解決に向けて動き出したのは19年末。どのツールを使うか。従来のECカートを含め、3社で比較・検討を進めたという。各社の話を聞く中で「我々が実現したいことに対し、細かくヒアリングし提案してくれた。気持ちの面を含めて、総合的に同じ目標を目指せると伝わった」(大友氏)ことが、ecbeingを選ぶ決め手だった。
本特集の第1回「そのマーケツール選びは『間違い』だ 失敗を防ぐ鉄板11ステップ」でも紹介したように、安直にツール自体を入れることをゴールとするのではなく、まずは何が実現したいかという目的を明確にすることがツール導入/乗り換えの秘訣となる。ヤッホーの場合は、その目的が「ファンに楽しんでもらい、絆を深めていく」サブスクを構築できるかという点だった。
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