青山商事が活用しているのは、アプリの分析からマーケティング活用まで一貫して行えるReproのWeb接客ツールだ。Reproのツールはプッシュ通知など、アプリ向けを出自として開発された。またReproは、アプリとWeb両方のマーケティング支援も展開しているため、青山商事が推進する「アプリを軸にしたOMO戦略」と相性がよかった。

(22年2月掲載の特集「マーケツール導入/乗り換えの極意」を細分化したものです。)
▼関連記事 マーケツール導入/乗り換えの極意

 以前からアプリではReproのツールを導入していたが、20年10月、Reproが洋服の青山のOMO推進パートナーとなりマーケティング支援を開始するとともに、本格活用を開始。ECサイトでも、ReproのWeb接客ツールとマーケティング支援を導入した。

Reproの機能。画像はReproのWebサイトより
Reproの機能。画像はReproのWebサイトより

 Web接客ツールを有効活用するうえで肝となるのは、シナリオ設計だ。藤原氏は「配信セグメント」をポイントの1つに挙げる。藤原氏は自身の経験から「アプリへのプッシュ通知などを実施する際、配信対象を絞りすぎると、最初は高いCVR(コンバージョン率)が出るものの、継続しない」と言い切る。

 例えば、動画配信事業者がお薦め作品をプッシュ通知で案内するとしよう。その利用者が初回にアクション映画を見たからといって、延々とアクション映画だけを見るわけではない。ラブストーリーを見ることだってあり得る。つまりアクション映画好きと判断して、極端に1つのカテゴリーに寄せすぎると、初めは反応が良くても次第に飽きがきて、しまいには売り上げに貢献しなくなってしまうのだ。

 商品ジャンルによっても異なるが、細かくセグメントを分けすぎると、大抵は3回目くらいから効果が出にくくなると、藤原氏は指摘する。大事なのは、できるだけ「十把ひとからげ」を維持しつつ、効果が出やすいパターンに注力することだ。まずは成果の出やすい上位5つのシナリオを設計すること。それができれば、年間を通してツール活用の成果につながりやすくなるという。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

この記事をいいね!する