アイドルやタレント、アニメなど幅広いジャンルで「推し活」が盛り上がる中、広告の世界にも推し活の波が押し寄せた。推しの誕生日やデビュー日など記念日にお祝いメッセージを送る「応援広告」が、全国各地で登場。広告をファンが作り、ファン同士で楽しむ新しいスタイルが浸透してきている。

※「日経MJ」2022年12月28日付記事「応援広告、ファン交流の場に」を再構成したものです
タイの俳優、Mew(ミュー)さんの来日を祝ってファンが出した屋外ビジョン広告を撮影するファン(2022年11月、東京・新宿)
タイの俳優、Mew(ミュー)さんの来日を祝ってファンが出した屋外ビジョン広告を撮影するファン(2022年11月、東京・新宿)

 2022年11月上旬、JR新宿駅からほど近くの広場では何人もの女性がスマホ片手に街頭ビジョンを見上げていた。イベントで来日中だったタイの人気俳優「Mew(ミュー)」こと、スパシット・ジョンチーウィーワットさんを歓迎する広告を見るためだ。

 60秒の広告は「ウエルカム(ようこそ)」の文字とともに楽器を弾くミューさんやこちらに目線を送るミューさんが次々に映し出され、「We love u so much(あなたのことが大好き)」とのメッセージで締めくくられる。集まったファンはスマホを掲げて熱心に撮影。終わったあとも約30分後に流れる次の放映を待ち、繰り返し広告を見ていた。

 実はこの広告は芸能事務所やテレビ局ではなく、約300人の有志のファンがお金を出し合って出した「応援広告」だ。タイのドラマを見てミューさんが「推し」になったという奈良県在住の前原香菜子さん(40)は「昨日も見に来た。昼と夜の様子が両方見たくて」と笑う。

ミューさんの応援広告
ミューさんの応援広告

 広告を企画した「Mew Welcome to Japan Project」のメンバーは、「タイの俳優は日本で認知度が少ないので、より多くの人に知ってもらえればうれしい。道行く方に紹介でき、ファンも楽しみ、ミューさんへ感謝を届けるという3方向に向けた取り組みだ」と話す。

 中野サンモール商店街(東京・中野)に掲示した応援ポスター広告は、ミューさんも来日時に見に来てくれたという。本人のインスタグラムでその模様が発信された後、「聖地」となりファンが巡礼に訪れるようになるなど、応援広告はファンとタレントをつなぐ懸け橋にもなった。

アニメキャラクターやVTuberの応援広告も登場

 さまざまな応援広告が掲載される中で、ファンがより楽しめるように工夫した広告も出てきている。22年6月末に東武池袋駅(東京・豊島)オレンジロードに掲載されたボーイズグループ「JO1」の川西拓実さんの誕生日広告は、ピールオフ広告というグッズ付きの広告で話題を呼んだ。

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