生活雑貨店の「無印良品」を展開する良品計画が衣料品のてこ入れを急いでいる。2022年の秋冬物から商品開発に関わるメンバーを刷新したほか、使用する素材や消費者への訴求方法なども見直した。21年春夏から販売している男女兼用をコンセプトとする衣料品が振るわず、足元の業績が悪化するなか、体制の立て直しを図る。

※「日経MJ」2022年10月14日付記事「無印、衣料もっと『良品』に」を再構成したものです
秋冬物では環境に配慮した素材などを使った商品を多く展開する(東京都中央区の「無印良品 銀座」)
秋冬物では環境に配慮した素材などを使った商品を多く展開する(東京都中央区の「無印良品 銀座」)

 無印良品の服が変わりました――。2022年9月下旬、「無印良品 銀座」(東京・中央)の店内に足を踏み入れると、ダウンジャケットやセーターなど秋冬物の衣料品をまとったマネキン数十体が整列している様子が目に飛び込んできた。横に掲げられた垂れ幕にはこんな言葉が書かれていた。

 「デニムレギュラーパンツ」(税込み3990円)は股上が深く直線的なシルエット。加工はせず、素材そのものの色合いを生かした深い紺色が特徴だ。生地を染めたり洗ったりする加工の工程を無くすことで、製造時の水の使用量を従来品と比べて15%程度抑えたという。

 「再生ナイロン軽量ノーカラーダウンジャケット」(税込み4990円)では消費者の意見を開発に反映した。従来品だと着ぶくれが気になる、という声を受け、温かさは保ちつつも中に入れる羽毛の量を減らしたほか、腰回りを若干くびれさせることで、すっきりとしたシルエットを実現した。表面には工場から出る残糸をリサイクルしたナイロン素材を使うことで、原材料費が高騰するなか、従来品と変わらない価格とした。

 22年秋冬のコンセプトは「原点回帰」。無印良品の誕生時から徹底してきた「素材の選択」や「工程の点検」に改めて立ち返り、幅広い年代の人がより多くの場面で着ることができるよう、素材やデザイン、パターンを見直したという。シャツやセーターといった定番品の刷新も合わせて約450種類の商品を順次発売していく予定だ。

無印良品の秋冬物の衣料品のテーマは「原点回帰」(「無印良品 銀座」)
無印良品の秋冬物の衣料品のテーマは「原点回帰」(「無印良品 銀座」)

全身コーデ、店頭展示とECで訴求

 商品開発に関わるメンバーは半数を入れ替え、刷新した。デザイナーやディレクター職でアパレル業界での経験を持つ中途社員を増やしたほか、消費者の声を直接聞いている店舗の若手従業員も加えた。

 開発の工程も見直した。これまでは売れるかどうかが開発の基準となっていたが、消費者の目線に立って、幅広い年齢層の消費者が日常的に着ることができるかどうかを意識するように、方針を変えたという。

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