鉄道各社がポイントサービスを活用した顧客の囲い込みに動いている。JR東日本は買い物や鉄道で利用できるほか、電車の撮影会などポイントが使える体験型サービスを増やす。平日朝の時間帯の混雑緩和に向けたポイント付与も実施。私鉄もポイントメニューを拡充している。新型コロナウイルスで鉄道利用が落ち込むなか、ポイントの付加価値を高める狙いだ。
※「日経MJ」2022年4月22日付記事「鉄道ポイント、サービス連結」を再構成したものです
JR東日本はグループで使えるポイント「JREポイント」を展開している。鉄道や商業施設、クレジットカードなどグループで手がけるサービスで横断的に使えるのが特徴だ。鉄道の利用や店舗でためたポイントを使って買い物したり、グリーン車に乗れたりとお得に使える。
JREポイントの会員数は1200万人以上にのぼる。ポイントサービスは他にもたくさんあるが、「鉄道や駅ナカ商業施設など生活に身近なところとポイントサービスは親和性が高く、また使おうと思ってもらうための呼び水にしたい」(MaaS・Suica推進本部決済事業部門の河野裕史課長)考えだ。
2022年4月から電車の混雑緩和に向けたポイント付与サービスを実施している。定期券保有者を対象に平日朝の混雑ピーク時間帯を避けた利用にJREポイントを付与する「オフピークポイントサービス」だ。21年3月に始まった取り組みで、1年間の延長が決まった。
過去1年間の利用を見てみると、1カ月あたり4回以下の利用が6割を占めていたという。今年はポイントの付与方法を変え、利用回数が多い人に多くポイントを付与する形にした。よりお得感を高めて混雑時間を避けてもらう狙いだ。
JR東としては混雑緩和でピークの波が下がるほか、混雑時間帯を避けて乗る人向けの「オフピーク定期券」導入への足がかりにポイント施策を活用する。
JR東は25年度に会員数2500万人目指す
同社はためたポイントの使い道も充実させている。買い物などで使えるのに加え、新たに体験型のサービスも提供する。例えば、普段入れない場所から電車を撮影できる会でポイント支払い限定の枠を設けたり、子供向けに仕事体験なども開催したりしている。今後も体験型のサービスを増やしていくことでポイントの付加価値を高める考えだ。
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