スマートフォン決済のPayPayの成長が止まらない。利用者数はサービス開始から4年超で5500万人を超えた。お小遣い機能などで10代の若年層にも利用が広がりつつあり、スマホ決済では圧倒的な地位を築く。ただ、新規利用者はいずれ頭打ちとなる。競合の楽天グループとの競争も激しくなるなか、銀行など金融事業を次の収益の柱に育てられるかも成長の鍵となる。
「毎月忘れることなく、お小遣いを自動で渡せるのがいい」。神奈川県に住む男性会社員(53)は、PayPayのアプリの自動送金機能を使い、毎月1日に中学生の娘(13)に2000円を送る。「早くキャッシュレス決済に慣れた方がいい」(男性会社員)と、2022年4月に娘が中学生になったのを機にお小遣いをPayPayにした。
娘はカフェなどに行く時にPayPayが使える店か必ず確認する癖がついた。割り勘の際に友達が使っていないと不便なため「10人ほど勧誘して登録してもらった」。
10代に利用拡大で他社を引き離す
PayPayの成長が著しい。22年3月期の決済取扱高は約5兆4400億円と前の期比約7割増。スマホ決済の約3分の2を占める。22年4~12月期は前年同期比46%増の約5兆7200億円と、既に前の期の通期を上回る。利用者も23年2月に5500万人超と半年で500万人増だ。
MMD研究所が23年1月に18~69歳の男女2万5000人に利用するスマホ決済を複数回答で尋ねたところ、PayPayが41.2%で首位で、2位の楽天ペイ(19.4%)に大差をつける。
こうした成長の背景にあるのは、利用者層や利用シーンの拡大だ。特に足元で伸びているのが10代。アプリ分析ツール「App Ape(アップ・エイプ)」を手がけるフラー(新潟市)によると、PayPayの利用者に占める10代の割合は、22年3月は4.4%だったが、23年3月は7.7%まで増えている。
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