コスパ、タイパの次は「スペースパフォーマンス(スペパ)」が来る――? マンションの面積は10年前に比べて約1割小さくなったとされる。一方、値上げラッシュ対策の買いだめは自宅スペースを圧迫。テレワークで在宅時間が伸びた消費者にとって、スペパの高さは価値だ。空間の使い方を見直すことで時間やお金の効率まで高まることもある。スペパ志向の消費を追った。

※「日経MJ」2023年2月20日付記事「狭い我が家だからスペパ」を再構成したものです
キャンプ用のチェアを自宅で愛用する岡真也さん。簡単に折りたたんで収納できるので部屋が有効に使える(都内)
キャンプ用のチェアを自宅で愛用する岡真也さん。簡単に折りたたんで収納できるので部屋が有効に使える(都内)

 都内在住の会社員、岡真也さん(28)はキャンプ用品を家の中で使っている。20平方メートルのワンルームへ引っ越したのを機に、限られたスペースで快適な暮らしを追求してきた。以前は30平方メートルの部屋で暮らしていたが、「今のほうがすっきりしていて暮らしやすい」。

 居室は整頓されていて狭さは感じにくい。家具らしいものは仕事用のデスクと椅子、ベッド、財布などの小物を置く収納棚のみ。映画をみてくつろぎたい時はサイドテーブルとアウトドアチェアを広げ、寒い時期に使う掛け布団は寝袋を広げて代用。いずれも使わないときは収納できるので場所をとらない。

 家具代わりに購入したキャンプ用品は総額6万円程度。家具をそろえるよりも支出を抑えられ、休日は外に持ち出してアウトドアも楽しめる。いまの生活は「コスパもスペパもかなう一石二鳥の暮らし」(岡さん)だそうだ。

家具はキャンプ用品、たためるバイクも

 スペパ志向に目をつけ、アウトドアブランドは家の中で楽しめるキャンプ用品に注力している。「コールマン」ブランドのニューウェルブランズ・ジャパン(東京・港)は2023年から室内でも使いやすい色や保管場所に困らないコンパクトなキャンプ製品の拡充を始めた。代表製品は空気を入れるだけで使うことができる2人掛けソファ「エアカウチダブル」。家で使うことも想定し、体が沈み込みすぎない適度な反発性を持つ座り心地にした。使用時は横幅160センチメートルだが、空気を抜いてたたむとトートバッグサイズになる。

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