衣類を清潔に保ち、シワを伸ばす韓国LG電子の衣類ケア家電「LGスタイラー」が日本に上陸して5年が過ぎた。市場をゼロから生み出し、日本での販売台数は2022年には4年前の1.5倍に増える見通し。外資メーカーながら、日本法人が主導してマーケティングや新製品開発に注力し、日本の消費者に照準を当てた戦略を間髪入れずに展開している。

※「日経MJ」2022年12月26日付記事「スタイラー、市場も伸ばす」を再構成したものです
ビックカメラはLGスタイラーを販売強化の対象商品と位置付ける
ビックカメラはLGスタイラーを販売強化の対象商品と位置付ける

 「日本で売れる土壌をきちんと作ろうと丁寧に展開してきた」

 LGエレクトロニクス・ジャパン(東京・中央)のマーケティング統括責任者、宇佐美夕佳さんは胸を張る。LGスタイラーを17年に日本で発売して以来、試行錯誤してきた5年間への手応えを語る。

 LGスタイラーはクローゼット型の家電だ。内部のハンガーに衣類をかけておくと、振動とスチームでほこりや花粉を取り除き、シワを伸ばして除菌や消臭もする。毛皮や革、ウール素材も使え、ショールやネクタイのにおいも取り除く。

 1分間に最大180回の振動や、一定の温度を保ったスチームを庫内で循環させる、スチームを外部に漏らさない機密性の高さなど、独自技術を搭載。これまでの家電と一線を画した商品だ。2006年に開発を始め、11年に初代LGスタイラーを韓国や米国など世界9カ国で売り出した。韓国では月3万台を売り上げる。

 一方、店頭での実勢販売価格は1台10万円台後半から30万円前後までと高め。洗濯機や冷蔵庫と違い、生活必需品とも言えない。そんな状況下で日本市場をどのように開拓したのか。

LGエレクトロニクス・ジャパン、マーケティング統括責任者の宇佐美夕佳さん
LGエレクトロニクス・ジャパン、マーケティング統括責任者の宇佐美夕佳さん

日本市場、ゼロから開拓

 宇佐美さんは「日本に合った商品を出そうという議論を徹底的にしていた」と当時を振り返る。商品の改良アイデアを韓国に持ちかけながら、次世代商品の開発時に日本で求められる機能を盛り込むように働きかけた。

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