硬直したアイデアや沈黙の多い行き詰まった会議、わかりにくい資料――。そんな問題を抱える日本企業がギャルと突破口を探している。不確実性の高いこの時代、ギャルの発想力や率直さはビジネスにとっても大きなヒントとなり得る。大人が失ってしまったパワーで未来を切り開くギャルたちと、翻弄されつつも新たな気づきを得た企業を追った。

※「日経MJ」2023年1月11日付記事「ビジネス、ギャルに学べ」を再構成したものです
カヤックは決算説明資料のギャル語版を作成した
カヤックは決算説明資料のギャル語版を作成した

 「他社から面白い資料が出始めている。うちも面白いことをやりたい」。ゲームなどを手掛けるIT(情報技術)企業のカヤックは2022年、決算説明会の資料づくりで悩んでいた。

 業績について解説する決算資料の表現は専門用語が多く、総じて硬い。株主の裾野を広げるにはもっと伝わりやすくする必要がある。面白プロデュース事業部の合田陽太郎さんは「ネガティブにしてみたら面白いかと1度は書いてみたが、びっくりするほど面白くなかった」と振り返る。

 では逆にポジティブにしてみてはどうか。こう考えたカヤックが知恵を借りたのが「ギャル高」の異名を持つブレア学園(東京・目黒)の現役ギャルたちだ。

とにかく分かりやすい、ギャル式決算資料

 「四半期ベースの過去最高業績を達成」は「最大もうかった!」、ゲームライブ配信アプリを手掛けるミラティブ(東京・目黒)の開発パートナーとしてゲーミング配信市場に参入することは「ミラティブとマブダチになったよ~~」に変換。橋渡し役として呼ばれたブレア学園卒の板井綾子ディレクターは「ギャルの言葉はシンプルで芯を捉えている」と話す。

 決算書をみせると初めはぽかんとした様子だったというギャルたち。「要点を絞って含みのない説明をする必要があり、結果としてわかりやすい表現にできた」(板井氏)

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
8
この記事をいいね!する

日経MJ購読のご案内

日経MJ購読のご案内
新しい“売り方、買い方”を
いち早く伝えるマーケティング情報紙!
週3日発行(月・水・金)
詳しくはこちら