誰もが自分の夢を形にした物を売れる時代がやってきた。自分の作った商品をPRしたり、販売したりできる個人向けプラットフォームが充実。副業の浸透や新型コロナウイルス禍での価値観の変化で創作意欲に燃える人は増えている。創作物を「趣味ですから」と謙遜していた時代から、収入を得ることで「本気です」と胸を張れる時代に変わろうとしている。

※「日経MJ」2023年1月1日付記事「始めます ワタシ経済圏」を再構成したものです
小学生切り絵アーティストのNEKOKENさん。作品は1つ数万円で売れる
小学生切り絵アーティストのNEKOKENさん。作品は1つ数万円で売れる

 塩マサラ「ふぁ」、カレーの素「さっ」。特徴的な商品名のスパイスを自ら開発し、1年間で3万個を売った人がいる。自身を「日本で1番インドの屋台料理を食べた人」と表現する坪和寛久さん(38)。ユーチューブを駆使しながら、ネットの先にいる消費者へ魅力を伝える。

 20代は仕事を転々としたがどれもしっくり来なかった。30歳を目前に環境を変えたいと思っていたとき、知人の紹介でインドの会社に職を得た。

年3万個販売のスパイスを作った坪和寛久さん
年3万個販売のスパイスを作った坪和寛久さん

 あるときインドの屋台の動画をユーチューブに投稿すると、想像以上の反響があった。チャンネル登録者数70万人超、累計再生回数は2億6000万回。ユーチューブの収益で生活できるようになっていた。これまで食べたインド屋台の料理は数千食にのぼる。

 だが、コロナ禍でユーチューブを始める人が増え、収入に不安が出てきた。自分だからこそできる新たな稼ぎ方とは。思いついたのがインドの屋台料理に近い味が簡単に作れるスパイスだった。

 地元の茨城県に戻ってキッチンを改装し、数十種類のスパイスをそろえた。配分を何度も変えて現地の味を再現しつつ、日本人の舌に合わせてアレンジした。20種類のスパイスが完成し2022年1月に電子商取引(EC)販売を始めた。

 坪和さんの視線はすでに海外にも向いている。23年中に中国などほかのアジアの国でもオリジナルスパイスをECで販売するつもりだ。

国内クリエーターは800万人超え

 個人の力で物をつくり、自らPRして、世界中で販売できる時代が到来している。SNSなどのPRツール、EC支援サービスなどにより、個人でも簡単に自分の開発した商品を、世界へ届けられるようになった。

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