海外ブランド店や百貨店などが立ち並び、高級感のあるイメージがあった銀座の街が変わってきた。100円ショップや300円台が中心の業態が、銀座の数寄屋橋交差点から半径約200メートル以内に集まる。「プチプラ(プチプライス)」業態の激戦区となる銀座の街を歩く消費者に各店舗のブランド力などを聞き取り、強みや課題を探った。
調査は商品、価格帯などを考慮して競合となりそうなブランドを対象にした。具体的にはパルの「3COINS」(スリーコインズ、3COINS+plus含む)、セリア、大創産業(広島県東広島市)の「スタンダードプロダクツ」という価格均一系ショップと、日用品などでその競合となる良品計画の「無印良品」を比較。2022年8~10月に銀座の街を歩く10~60代の男女計30人に聞き取りを行った。
①「ブランド力(あなたにとってのその店舗の価値)」、②「品質の高さ」、③「価格の手ごろさ」、④「コストパフォーマンス」、⑤「高見え度」(実際の価格よりも高価に見えるか)の5項目に対して1~5点で点数を付けてもらい、平均点を算出した。
合計点のトップは無印良品の20.5点だった。ブランド力(4.6点)や品質の高さ(同)など、価格の手ごろさ以外の項目でトップを取った。「価格が少し高いけれど他の店より好き」(中央区30代女性)、「やっぱりブランド力は1番」(港区20代男性)と固定ファンを抱えるのが強みだ。
2位はセリアで18.6点だった。価格のスコアが4.4点とトップだった。100円以上の商品を投入する100円ショップが増えている中、「値札を見ないでも買える体験価値を提供する」(同社)と100円(税抜き)商品にこだわっていることが支持された。
「セリアは100円で、300円均一と同じくらいおしゃれな商品が売っている」(北区30代女性)など品質の高さでも評価を得た。また「トレンドを捉えた商品を置いている」との声も聞かれた。セリアの担当者は「最近はぬいぐるみにつける装飾品や洋服といった『ぬい活』関連のほか、人気アニメなどのキャラクターグッズが支持されている」と説明する。
銀座の若者が支持したプチプラ店は?
「スタンダードプロダクツ」は18.0点。同店は300円台を中心に110~1100円までの価格を扱う。21年3月に渋谷に1号店を出店し、銀座には今年4月にオープン。現在は約30店舗にまで増えた。
価格(4.0点)とともに高見え度(3.5点)が高く、コスパの項目でも3.9点を獲得した。「皿を購入したことがあるが、フランフランみたいなデザインなのに300円というのには驚いた」(北区50代女性)など高見えする商品に支持が集まった。担当者は「シンプルな色彩で売り場や商品を揃えてお客さんの居住空間をコーディネートしやすくした。国産の芯を使った鉛筆(12本セット1100円)など職人さんとコラボした商品も人気」と話す。
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