新型コロナウイルス禍でテレワークを導入する企業が広がった。そこに目をつけて様々な業種の企業がテレワーク用スペースの貸し出しサービスを競っている。ただ、職場と自宅以外で仕事をする人は限定的。日経MJの調査ではテレワークをしている人でも8割は自宅のみ。場所貸しサービスの市場は広がりきっておらず、供給過多との指摘も出ている。

※「日経MJ」2022年11月9日付記事「テレワーク 結局どこで」を再構成したものです
アクセア(東京・千代田)が運営するコワーキングスペース
アクセア(東京・千代田)が運営するコワーキングスペース

 2022年11月上旬、東京・渋谷駅近くにある「アクセアカフェ 渋谷店」では、幅広い年代の男女が仕事や勉強に打ち込んでいた。このカフェは名刺印刷などを手掛けるアクセア(東京・千代田)が運営するコワーキングスペース。アプリをダウンロードして会員登録をすれば、事前予約なしで誰でも使える。渋谷店の料金は15分で132円。追加料金なしでコーヒーなどのドリンクサービスを利用でき、一般的なカフェと比べて手ごろだ。

 同社がこのサービスを始めたのは19年5月。同社が運営する印刷店で、待ち時間に店舗内の椅子などに座って仕事をする人が多かったことに気付いたのがきっかけだった。そして、コロナ禍に入って需要は急拡大。現在は都内を中心に、印刷店に併設する形で約30店舗を運営している。一部の店舗は24時間運営しており、学生から社会人まで利用している。

 コロナ禍で様々な業種の企業がテレワークスペース事業に力を入れている。第一興商はカラオケ店「ビッグエコー」でテレワークプランを用意。30分プラン(300円)、1時間プラン(500円)、3時間プラン(1200円)を用意して、カラオケルームを貸し出している。

 もともとはカラオケ利用が少ない平日昼などの「不稼働時間の有効活用の一環」(同社)として17年に一部店舗で始めたが、現在は全店舗に拡大。「コロナ禍前に比べると利用者は15倍ほど」(同社)だ。もともと1時間プランだけだったが、22年7月からプランを増やした。約450店舗の多くは駅近くなどアクセスしやすい立地にあるのが強みだ。個人利用が大半だが、80社以上の法人とも契約している。

テレワークの場所は多様化している
テレワークの場所は多様化している

 ホテル各社もコロナ禍で宿泊客が減る中、テレワークプランを手掛けるようになった。足元では宿泊客が戻っているが、それでもテレワーク対応に取り組み続けている。

 例えば、西武・プリンスホテルズワールドワイドは、「品川プリンスホテル」(東京・港)でテレワーク利用などを見込んでチェックイン以降10時間利用できるプランを販売。22年4~9月に、累計3300室以上の利用があった。11月にはコロナ禍で一時営業を休止していたアネックスタワーの営業を再開。共用部にテレワーク用のスペースを設けた。

商業施設や駅の空きスペースも活用

 空きスペースをテレワークスペースとして活用し、ビジネスにつなげる動きも広がっている。コインスペース(東京・渋谷)は現在、主に百貨店やファッションビルなど商業施設内にテナントとしてコワーキングスペースを出店している。現在、丸井錦糸町店(東京・墨田)や西武東戸塚S.C.(横浜市)などに35店ある。

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