※「日経MJ」2022年4月13日付記事「ロゴが語る世紀の変革期」を再構成したものです

企業ロゴやブランドロゴの変更が相次いでいる。バンダイナムコホールディングス(HD)は、世界のファンとの交流をイメージした吹き出し型の新ロゴを導入。ヤマトHDもグループ再編に伴い刷新した。グローバル化、デジタル化、サステナビリティーといった対処すべき課題が大きくなるなか、企業は変革イメージをロゴにも託しているようだ。

自動車メーカーのロゴ変更も相次ぐ
自動車メーカーのロゴ変更も相次ぐ

 2022年3月末に東京ビッグサイト(東京・江東)で開催された国内最大級のアニメイベント「アニメジャパン2022」。バンダイナムコグループの展示会場を訪れると、アニメ「機動戦士ガンダム」の隣に、翌月から導入予定の新ロゴ「吹き出しマーク」が並んでいた。

 バンダイナムコHDは4月、2005年のバンダイとナムコの統合以来、初めてロゴを変更した。文化の異なる2社が一つになり進化できるようにと統合の象徴だった旧ロゴから、新ロゴ「吹き出しマーク」に変わった。

 統合当時に掲げた売上高1兆円、営業利益1000億円の達成が見えてくるなか、「統合の象徴から次のステップへ進む時がきた」と川口勝社長は語る。世界で楽しまれる日本の漫画文化を象徴する「吹き出し」には、世界中のファンと交流しつながるというパーパスを反映。赤色は社員が抱く会社へのイメージである「情熱的」や「楽しい」など表現している。

 「グローバル展開のために、企業ブランドを一つに統合する必要があった」と経営企画本部の田上朗子ゼネラルマネージャーは話す。おもちゃの「バンダイ」、ゲームセンターの「ナムコ」、アニメの「サンライズ」。多様な商品軸とブランドが強みだがバンダイナムコグループとしての統一感に欠けていた。

 4月以降はグループのすべての商品やサービスに「吹き出しマーク」がつく。「たまごっち」など玩具には従来の赤いバンダイロゴの隣に新ロゴが並ぶ。人気ゲーム「エルデンリング」などダークな世界観の商品には、モノクロの新ロゴがつく想定。商品の多様化が進むにつれ、ロゴ活用の柔軟性が重要になった。ガイドラインを整備し、商品の世界観に合わせて色味などを変更できる仕組みにした。

ヤマトHDは新事業で別タイプのロゴ

 21年に64年ぶりに「クロネコマーク」を変更したのがヤマトHD。最近では新しいロゴが描かれたトラックや台車を見かけるようになった。「子猫を運ぶように大切に荷物を運ぶ」思いが込められた親猫や子猫をくわえるモチーフは踏襲しつつ、線を減らしシンプルに整え現代的にした。

 ロゴの刷新は、子会社の統合など経営体制の大幅な変更に合わせて実施した。物流業界では人手不足や、トラック運転手の時間外労働を減らす法律が適用される「2024年問題」への対応が迫られている。デジタルトランスフォーメーション(DX)の強化も待ったなしだ。創業以来の変革を社内外に印象づける役割の一端をロゴ変更が担う。

 広く親しまれてきた「クロネコマーク」それ自体には大きな変更を加えなかった。一方で、クロネコマークとは別に抽象的なデザインの「アドバンスマーク」を新たに導入した。このマークには新サービスや新事業への期待が詰まる。現状はCMや法人向けトラックの一部での使用にとどまるが、今後は新サービスなどに使うことを検討。広報戦略担当シニアマネージャーの阿部和彦氏は「ここから100年使うマークだ」と語る。

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