ウェブ検索をすればBtoB(企業向け)マーケティングの事例が数多く出てくる。セミナーやイベント出展、タクシー広告などBtoBマーケ手法は数あれど「闇雲な他社の模倣は禁物」とWACUL代表取締役の垣内勇威氏は言う。同氏の新刊書籍から、BtoBマーケ担当者が知っておくべき心得を紹介する。

成功例があるからといって、他社のBtoBマーケティング事例をそのまま適用しようとするとうまくいかない可能性がある(写真/Shutterstock)
成功例があるからといって、他社のBtoBマーケティング事例をそのまま適用しようとするとうまくいかない可能性がある(写真/Shutterstock)

「BtoB企業」という分類は雑すぎる

 「業界各社の立ち位置をマトリクスでまとめました」。社内の会議でそんな説明を受けたことがある人は多いだろう。情報をうまく分類し、分かりやすく見せることはコンサルタントの得意技で、一般的なビジネスパーソンにもその手法は広がっている。

 だが、そうした分類は、本当に十分な示唆をもたらしてくれているのだろうか。あらゆる分類は、類似性や相違点から示唆を導くための目的ありきで行われるべきである。ただ分けるための分類であってはならない。

 今回は「BtoB/BtoC(個人向け)」という最もありふれたビジネスの分類を掘り下げてみたい。拙著『BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?』でも詳しく解説しているが、本記事ではBtoB企業の戦略を分ける「3つの軸」を紹介する。

▼関連リンク(クリックで別ページへ) 『BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?』(日本実業出版社)

BtoB企業の模倣は事業モデルに合わない無駄だらけ

 結論から言うと、BtoB/BtoCという分類は粗すぎて、これだけでは全く当てにならない。BtoC側に分類される企業では、「企業ではなく個人に向けてビジネスをしているのだから、取り組むべきマーケティング施策は皆一緒だろう」という考え方をする人はまずいないだろう。ところがBtoB企業になると話が違ってくる。

 BtoBマーケティングでよく事例を発信しているSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業を参考にして、施策をまねしようとしたことはないだろうか。今の最先端はタクシー広告らしい、いやランディングページを複数用意することだ、次はウェビナーの開催だ、コンテンツマーケティングをしよう、と手間やコストのかかる施策にどんどん手を広げ、現場が疲弊するばかりになってはいないだろうか?

 BtoBと分類される企業の中でも、事業の仕組みは多様であり、フィットするマーケティング施策も異なる。冷静に考えれば当たり前の帰結も、BtoBという粗い分類のフィルターを通せば、かすんで見えなくなる。施策を絞りきれず、結果として非効率な施策に時間とお金を垂れ流すことになる。

ターゲットが100社以下なら、デジタル活用は最小限に

 まず大きな分岐点が、ターゲットとする企業の数である。これが少ないなら、広くターゲットにばらまくような施策は無駄が多い。そんなことよりも営業担当者による1社1社へのアプローチを徹底する「個別接客戦略」を取るべきだ。

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