SNSなどを通じて贈り物ができる「ソーシャルギフト」の市場が急成長する。注目は、ギフトカタログの製作・販売が主力の大和が仕掛ける「dōzo(どーぞ)」だ。デジタルカタログから「モノ」を選ぶだけでなく、適度な“ネタ感”を含んだ「体験」を贈る感覚を醸成。こだわりが強いZ世代にも受け入れられた。

※日経トレンディ2023年1月号より。詳しくは本誌参照

「dozo」(大和)
大和が仕掛ける「dōzo(どーぞ)」が、Z世代を中心にヒット

dōzo(大和)

手軽な「ソーシャルギフト」にじわり注目 適度な“ネタ感”への親近感がヒット

 コロナ禍でリアルなコミュニケーションが減った分、急成長した市場もある。SNSなどを通じて贈り物ができる「ソーシャルギフト」もその一つ。注目は、ギフトカタログの製作・販売が主力の大和が仕掛ける「dōzo(どーぞ)」だ。2022年4月の開始から間もないが、母の日や父の日には売れ行きが跳ね上がるなど、順調に利用者を増やしている。

 贈れるデジタルカタログには「ビール」「自炊」「癒やし」など様々な切り口で設定されたテーマが80以上ある。相手に合ったテーマを選び、受け取る側はテーマに沿った5〜6個のギフトから選んでそれを郵送で受け取る。大和の佐藤あゆみ氏は、「テーマを選ぶ形式にしたことで、贈る側は一つの商品を選ぶより手軽に、かつ『あなたのことを考えて選んだ』という気持ちを伝えることができる」と言う。数分の操作だけですぐギフトを贈れるので、誕生日など当日ギリギリの「駆け込み需要」の受け皿にもなっている。

価格帯は2500〜1万円程度と幅広く、売れ筋は3500円前後。「可愛過ぎないイラストも使うなど、照れずに利用できるよう工夫している」(佐藤氏)と言い、利用者の約4割は男性
価格帯は2500円〜1万円程度と幅広く、売れ筋は3500円前後。「可愛過ぎないイラストも使うなど、照れずに利用できるよう工夫している」(大和の佐藤あゆみ氏)と言い、利用者の約4割は男性

 仕組み以上に若者を捉えたのが、適度な“ネタ感”要素だ。「ビール」ではなく「三度の飯よりBEERでしょ!」、癒やし系なら「ご自愛プリーズ!」といったようにテーマ名がユニーク。テーマごとにそれぞれイラストレーターを起用し、イラストを作っているのも特徴。画風はポップからシュールまで幅広いが、どれも切り取るシーンやモチーフがウイットに富んだポストカードのようなデザイン。受け取る際は贈る側からのメッセージと一緒に、このイラストも大きく表示される。

各ギフトにイラストを作成 テーマ名にもひねりを加える
dōzo最大の特徴といえるのが、テーマ別にイメージイラストを作っている点と、ユニークなテーマ名。利用者に親近感を抱かせることに成功
dōzo最大の特徴といえるのが、テーマ別にイメージイラストを作っている点と、ユニークなテーマ名。利用者に親近感を抱かせることに成功
SNS上ではこんな声も
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