2022年7月に発売された、セガトイズの小型のレトロゲーム機「アストロシティミニ V」が、平成レトロブームに乗って若者の注目を集めた。Z世代が関心を持ったのは、「名作をプレーして進化の過程を掘り下げたい」という強い好奇心にある。往年の名作が“新発見”され、遊ばれるトレンドの象徴といえそうだ。

※日経トレンディ2022年10月号より。詳しくは本誌参照

セガトイズの小型のレトロゲーム機「アストロシティミニ V」
セガトイズの小型のレトロゲーム機「アストロシティミニ V」

アストロシティミニ V(セガトイズ)

往年ファン向けの“ミニ筐体”が驚きの若者売れ 「ルーツをたどりたい」ゲーム版平成レトロ

 改元から3年半程度にもかかわらず、「自分たちの知らない世界」が新しいと、Z世代の消費行動に影響を与えている「平成レトロ」。「写ルンです」(富士フイルム)や「たまごっち」(バンダイ)、ルーズソックスに代表されるギャルファッションの“再流行”は象徴的だ。

 平成レトロブームは、思わぬところにも発火点を生んだ。その一つが、2022年7月に発売された、セガトイズの小型のレトロゲーム機「アストロシティミニ V」。1990年代半ばにゲームセンターで広く遊ばれていた「アストロシティ」を6分の1スケールで再現したもので、「アウトゾーン」「達人王」「デザートブレイカー」など22タイトルを収録。20年12月発売で、国内外で8万台以上を販売した「アストロシティミニ」に続く第2弾だ。

「アウトゾーン」など、1980~90年代にゲームセンターで稼働していたシューティングゲームを中心に収録している
「アウトゾーン」など、1980~90年代にゲームセンターで稼働していたシューティングゲームを中心に収録している

 本来のターゲットは、平成初期にゲームセンターで遊んでいた40~50代のコアファン。ところが第1弾は、購入者の年齢層では20代が約20%。発売間もないアストロシティミニ Vも若者から注目を集めている。

リアルなゲーセンでも若者が往年の名機を遊ぶ
リアルなゲーセンでも若者が往年の名機を遊ぶ
多くのアーケードゲームファンが足を運ぶ「ゲームセンターミカド」の一角。かつてのゲーム筐体が並び、中高年だけでなく、若者もかつての筐体をプレーするという

 令和のハイスペックなゲームに慣れ親しんでいるZ世代が、なぜアストロシティミニ Vを遊ぶのか。セガトイズ マーケティング部 広報の箕箸雄教氏は、「例えば前作で収録した『バーチャファイター』や『ぷよぷよ』などのような今も人気ゲームでは、シリーズ過去タイトルや、ルーツとなった名作をプレーして進化の過程を掘り下げたい」というZ世代の強い好奇心にあると分析する。「アストロシティミニ Vは筐体だけでなく、当時のゲーム性も再現するために、今風のアレンジは最小限にしている。これは中高年のノスタルジーな気持ちを喚起する工夫だが、結果的に若者のニーズにも応えることになったのでは」(箕箸氏)と言う。

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