購入者の6割以上が20代という異色の“酒”が「ぽんしゅグリア」(FARM8)だ。ドライフルーツなどが入ったカップに日本酒を注ぐと、甘いカクテルができる。Twitterの投稿からその名が知られるようになり、コロナ禍で加速したZ世代特有のプレゼント文化がヒットを決定づけた。プレゼントを通して自分の「目利き力」を友人にアピールしたいZ世代の心をつかんだ。
※日経トレンディ2022年5月号より。詳しくは本誌参照
ぽんしゅグリア(FARM8)
ワンカップに日本酒を注ぐと甘い酒に変身
若者の飲酒離れが叫ばれる中、購入者の64%が20代で、販売50万本を突破した異色の“酒”がある。清酒カップの中にドライフルーツと甜菜(てんさい)糖 、はっか糖が入った日本酒カクテルのもと「ぽんしゅグリア」(FARM8)だ。

新潟県に本社のあるFARM8が「若者の日本酒離れを何とかしたい」と地元の酒蔵から相談を受けたことをきっかけに、2016年に商品化された。代表の樺沢敦氏は、「当初はヒットを狙うつもりはなく、『日本酒をもっと自由に楽しんでほしい』というメッセージ商品の位置付けだった」と言う。
その名が広く知られたのは17年。FARM8とは関係のない1人のユーザーのTwitter投稿だった。『魔女の宅急便』中のセリフをもじった「私、魔女のキキ。こっちは~」という大喜利投稿のトレンドの中で、甘いのに度数は日本酒と同じぽんしゅグリアを、「日本酒を注ぐとすぐにサングリアになる危ない装置」と形容したツイートが、約1万8000リツイート(22年3月時点)と拡散した。

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