
J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が2021年10月にD2Cブランド向けのショールーミングスペース「明日見世(あすみせ)」を開設してから半年余り。婦人服の4階フロアという設置にこだわり、20~30代の来店者が8割を超える。afterコロナにおける百貨店ビジネスの活路も見えつつある。
夕暮れ時にもなると、東京駅の構内や改札周辺の地下街には手土産や贈り物を選ぼうという人でにぎわってくる。八重洲北口改札を出てすぐ、しゃれた総菜やスイーツが並ぶ、いわゆる“デパ地下”にも多くの人が吸い込まれていく。戦後の高度経済成長期に差し掛かる1954年に開業した歴史ある百貨店、大丸東京店だ。
同店の4階にある婦人服と婦人肌着のフロアに上がると、「明日見世」のネオンサインが目に飛び込んでくる。エスカレーター降り口の横という“一等地”にある約30坪の売り場には、90×50平方センチメートルの棚が複数あり、それぞれにスキンケアからライフスタイル雑貨など多彩な商品が並んでいる。
「東京駅という立地は大きな魅力。出展ブランドやメーカーからは知名度だけでなく信頼度も向上したという声がある」と大丸松坂屋百貨店 経営戦略本部 DX推進部 デジタル事業開発担当 明日見世プロジェクトリーダーの廣澤健太氏は話す。実店舗を持たないD2Cブランドにとって、実際に商品を手に取ってもらえるメリットは大きい。新幹線などのターミナル駅でもある東京駅直結という好立地にある大丸東京店なら広告効果も絶大というわけだ。
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