D2C時代のパッケージデザイン大変革 第6回

D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の広がりで、パッケージにブランド価値の表現が求められるようになり、大手メーカーにもその影響は及ぶ。1967年発売の森永製菓「チョコボール」は、3年ほど前から売り上げが頭打ちに。主に子供向けのレギュラー3商品の2021年4月の売り上げは、前年比86%。かつての人気を取り戻そうとリリースしたのが、パッケージなどを使って遊べるアプリだ。

22年3月発売の「キョログラミングチョコボール〈ビスケット〉」。無料の専用アプリでパッケージや中の菓子を読み取ってプログラミングを楽しめる。各86円(参考小売価格、消費税込み)
2022年3月発売の「キョログラミングチョコボール〈ビスケット〉」。無料の専用アプリでパッケージや中の菓子を読み取ってプログラミングを楽しめる。各86円(参考小売価格、消費税込み)

 森永製菓の「チョコボール」は1967年から販売が続くロングセラー商品だ。しかし、2021年4月の売り上げを前年同月と比較すると、チョコボール関連商品全体では101%と微増となったものの、定番であるチョコボールのレギュラー3商品は86%と低迷していた。

 そこで、発売55周年という節目に当たる22年にリリースしたのが、チョコボールのパッケージや、チョコボールそのものを読み取って遊ぶアプリ「キョログラミング」だ。チョコボールが誕生以来、長年継承してきた強みは、箱にくちばしがあることや「エンゼルマーク」を集めるともらえる「おもちゃの缶詰」に象徴されるわくわくにある。菓子自体にとらわれることなく、体験の提供によって、今の時代に求められるわくわくを再び子供たちに届けようと考えた。その結果、プログラミングを学びながら遊べる無料アプリのリリースという考えに行き着いた。

ワクワク体験を届ける無料アプリ

 キョログラミングは、キョロちゃんと遊びながら、知育玩具のようにプログラミングを学べるというアプリだ。大きく3つの要素を備えている。

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