D2C時代のパッケージデザイン大変革 第5回

D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)が当たり前になると、パッケージの役割も大きく変わる。ワインのように、シングルオリジンの煎茶を楽しむ──。そんな時間を提供する、お茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL」のパッケージはシンプル。しかし、直営店やSNSを含めたトータルな体験価値の高さが競争力の源だ。

毎月2種類のお茶と情報誌が届くサブスクリプション「TOKYO TEA JOURNAL」。単一農園・単一品種のおいしい一番茶だけを厳選して届けている
毎月2種類のお茶と情報誌が届くサブスクリプション「TOKYO TEA JOURNAL」。単一農園・単一品種のおいしい一番茶だけを厳選して届けている

 一般的に小売店の店頭に並ぶ商品のパッケージを考えるとき、同業他社の商品よりも少しでも目を引くことが重要なポイントの1つになる。一方、D2Cブランドは、直営店や自社のECから顧客に直接商品を届けるので、基本的には同業他社のパッケージデザインとの差異化を意識する必要はない。差異化の要素は、すでにECサイトや直営店の店頭で訴求しているからだ。

 問われるのは、商品そのものの価値はもちろん、「顧客にどんな体験を提供するか」。届いたパッケージを開けたとき、そこから顧客が得られるコトとモノの総合力の勝負になる。

 そんな体験価値の提供に注力しているサブスクリプションサービス(定額課金)がある。シングルオリジン(単一農園による単一品種)煎茶専門店「煎茶堂東京」のお茶の定期便「TOKYO TEA JOURNAL(トーキョーティージャーナル/以下、TTJ)」だ。毎月、日本全国から仕入れたシングルオリジンのお茶(4グラム)2種類と、16ページの情報誌を800円(300円の送料・税込み)で届けている。

 企画・運営しているのは、デザイン会社LUCY ALTER DESIGN(ルーシーオルターデザイン、東京・渋谷)社長の青柳智士氏と取締役の谷本幹人氏だ。2016年に日本茶の新しい楽しみ方を提案するブランド「green brewing(グリーンブルーイング)」を事業化。17年1月に東京・三軒茶屋にシングルオリジンの煎茶をハンドドリップで提供する体験型の日本茶専門店「東京茶寮」を、同年11月には東京・銀座に直営の小売店「煎茶堂東京」を開業。「美味しいお茶がある暮らし」というコンセプトでECサイトも開設し、「観て飲む」というテーマで19年からTTJを開始した。green brewingの売り上げは好調で、「17年から連続で、前年比約20%から30%増」(青柳氏)。TTJの会員数は非公開だが、「会員数は毎月増加、継続率については94%以上の実績がある」(谷本氏)。

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