
EC(電子商取引)による購買が当たり前になり、商品やサービスを消費者に直接届けるD2C(ダイレクト・トゥー・コンシューマー)ブランドの台頭が著しい。D2Cブランドに共通するのはユニークなパッケージデザイン。その理由はパッケージの役割が「認知→興味・関心→購入」というプロセスではなく、購入後の「リピート→ロイヤル化」にあるからだ。
D2Cの台頭により、企業が消費者と直接つながるビジネスが当たり前になりつつある。パッケージに求められる役割は、店頭映えや分かりやすさからブランドらしさへと大きく変化している。パッケージデザインがブランディングの要となり、大手メーカーがブランド体験を重視したパッケージを採用する動きも加速。消費者から支持されているブランドは今、何を重視してパッケージをデザインしているのか。そして、いかにしてパッケージデザインにブランド体験を盛り込むか。本特集ではこれからのパッケージデザインのヒントを探る。
パッケージの主戦場は「購入後」へ
なぜD2Cブランドのパッケージは個性的なのか。この背景にはパッケージが担う役割の大きな変化がある。
消費者の購買行動プロセスから考えると、メーカーが商品を開発し、スーパーやコンビニなどの小売店が販売する従来型の流通形態では、商品パッケージが担う主な役割は「認知」を獲得して「興味・関心」を引き付け、「購入」まで導くこと。つまり、パッケージが活躍すべき場は店頭であり、そこでいかに目立ち、商品の特徴を分かりやすくアピールして買ってもらうかが重要となる。
一方、ECなどを介して商品を直接販売するD2Cブランドの場合はどうか。「認知→興味・関心→購入」というプロセスはECサイトが担い、消費者がパッケージの実物を目にするのは購入した商品が手元に届いたタイミングになる。となると、パッケージの役割とは何か。それがまさにD2Cビジネスの本質ともいうべき、購入後の「リピート→ロイヤル化」というプロセスだ。
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