昔から転職が常識だったコンサルタントだからこそ知っている「転職で失敗しないためのノウハウ」がある。アクセンチュアから日本マクドナルド、そして起業という経験を持つ気鋭のコンサルタントが、業種を問わず、転職を成功させるための準備と覚悟について解説する。

「転職」を実行に移す前に準備と覚悟ができているか、慎重に考えましょう ※画像はイメージ(画像提供:Olivier Le Moal/Shutterstock.com)
「転職」を実行に移す前に準備と覚悟ができているか、慎重に考えましょう ※画像はイメージ(画像提供:Olivier Le Moal/Shutterstock.com)
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賢い転職は「自己分析」と「アピール力」で決まる

 総合系コンサルティングファームのアクセンチュアから、事業会社である日本マクドナルドへ、そしてコンサルティング会社ムーンプライドの起業という経験を踏まえ、前編では「なぜコンサルタントに転職は付きものなのか」、中編では「コンサルタントが転職先に同業種、異業種、起業を選んだ際のそれぞれのメリットとデメリット」について説明してきました。

 コンサルタントはキャリアアップの選択肢の1つとして、就職するとすぐに次なる転職を意識し、そのための準備を始めます。そうしたコンサルタントの知見を基に、最後となる今回は、業界を問わずビジネスパーソンが賢い転職を実現する方法について話したいと思います。

 日本の他の業種に比べ、コンサルタントは間違いなく「転職にたけている」と言えます。理由は、終身雇用制度が崩れ、今日のように日本でも転職が当たり前になるずっと以前から、コンサルタントには転職が付きものだったからです。その背景に「そもそもほとんどの社員が長く会社に残れない」というコンサルティングファームの制度設計があることは、前編で詳しく解説しました 関連記事:僕がアクセンチュアを辞めた理由 コンサルタントは転職上手

 しかし、すべてのビジネスパーソンにとって「転職は当たり前」の時代になったからといって、誰でも賢い転職ができるわけではありません。

 そこで、転職を成功させるためにコンサルタントが普段から心がけていることを、紹介したいと思います。それらはきっと、業種に関係なく、転職を有利に運ぶための役立つヒントになることでしょう。

 転職の準備として重要なポイントは以下の2つです。

 (1)就活時のような自己分析を続けること
 (2)「自分が商品」という意識でアピール力を磨くこと

 それではこの2つについて詳しく見ていきましょう。

転職準備として常に自己分析を続ける

 転職が当たり前になったとはいえ、日系企業に勤める多くのプロパー社員の場合、コンサルタントほど「この会社をいつ辞めることになるか分からない」という強い危機感を抱いている人はそれほど多くはないでしょう。むしろ「この会社でどうやって出世していくか」あるいは「どうやって生き残っていくか」という意識が強くなると聞いています。

 この意識の違いが転職の成否に深く関係します。なぜなら、コンサルタントや他の業種で転職を繰り返している人が共通して持っている「平時の危機感」こそが、転職を成功に導く「常に自らの能力を分析し続けること」への原動力になるからです。

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